すでに川井院長のブログで睡眠と男性不妊症との関連について掲載されています。 ..


背景としては、睡眠時間が精液の質に及ぼす影響については、多くの疫学研究で報告されています。しかしながら、睡眠の質と精液検査のパラメータ(精子数、精子運動率など)や性ホルモン(下垂体ホルモンやテストステロンなど)との関連はまだ不明です。
この研究は、2017年10月から2019年7月にかけて、中国浙江省の生殖医療センターを受診した症例970名を対象に横断的研究を実施したものです。参加者全員が精液サンプルを提出し、身体検査を受け、人口統計学的指標(年齢、教育、職業)、生活習慣(性行為の回数、喫煙、アルコールやカフェインの摂取、運動、サウナや熱い入浴の習慣)、睡眠習慣についてアンケートで回答してもらいました。睡眠は、ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index、PSQI)という睡眠の質もみる質問票(アンケート)を用いて評価しました。点数(スコア)をつけて、PSQIスコアが高いほど睡眠の質が悪いことを意味します。まず、睡眠の質によって患者さんを2つの群に分けました(PQSI<5が睡眠良好、PSQI≧5が睡眠不良)。次に,各群の精子検査のパラメータ(精液量、精子運動率、精子前進運動率、精子濃度、総精子数、正常精子形態率)および性ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、エストロゲン、テストステロン、プロラクチン)を測定しました。最後に、多変量線形回帰分析およびスピアマン相関係数を用いて、睡眠の質(離散変数または二項変数)と精液検査のパラメータ、性ホルモンとの関係を検討しました。
結果は次のようになっていました。PSQIの点数といくつかの精液パラメータとの間に負の相関が認められました(PSQIが高いと精液所見のパラメータが悪化する):


対象は未治療の軽度高血圧がある男性患者16人で、平均年齢は55歳。

しかし、精液量、性ホルモン、PSQIの総合スコアの間には、有意な相関は見られませんでした。
交絡因子の調整後でも、睡眠の質の悪い男性(PSQIが高値の男性)は、以下のパラメータが悪化していました:

男性不妊症外来では、規則正しい生活と睡眠を十分にとって健康的な生活を心がけるようにお話ししています。ご自身の健康が、元気な赤ちゃんと幸せな家庭につながるからです。このアドバイスが正しいことが確認できた研究です。
PSQIは自分で解答するアンケートで、睡眠時間以外に、就寝の時間、睡眠に入るまでの時間、起床時間、睡眠に困難を感じた場合のその理由とその頻度(入眠も問題、中途あるいは早期覚醒、就寝中の排泄、息苦しさ、咳やいびき、寒さ、暑さ、悪い夢、痛み)、睡眠の質の自己評価、睡眠薬の服用、日中の活動状況や意欲について幅広い質問項目があります。
これを日常診療で聴くのは大変なので、当クリニックでは採用していませんが、ピッツバーグ睡眠質問票の日本語版が掲載されているサイトがあります。興味のある方は是非試してみてください。ちなみに筆者はPSQI総合スコアが5点でサイトでの評価ではギリギリセーフとの結果でしたが、この研究では睡眠の質が悪い方に入ってしまっています。
睡眠がみだれると、サーカディアンリズムに影響が出ると言われています。サーカディアンリズムはメラトニンで調整されていますが、睡眠の乱れがメラトニン分泌にも影響します。メラトニンは、性ホルモンの分泌にも影響し、精子形成の悪化を招くという機序があります。ただし、本研究ではPSQIで評価した睡眠の質とホルモンの関連は分かりませんでした。一方で、この研究では睡眠の質のわるい男性はBMIが高く、運動量が少なく、喫煙や飲酒の頻度が高いことから、精液所見悪化の機序は生活習慣因子とも関連する可能性があります。ただし、BMI、喫煙、飲酒、身体活動、性交頻度で補正しても、睡眠の質と精液所見の関連性は保たれたままでした。また、睡眠の質の悪い男性は、就寝時間が遅く、睡眠時間も短い傾向(6.9時間vs 7.7時間)がありました。他の報告(「睡眠と精液検査①」で紹介)では、睡眠が長すぎても良くないとの結果もありますが、今回ご紹介した研究ではそのような結果は出ていませんでした。やはり睡眠時間だけでなく睡眠の質も含めて総合的に評価することも必要なようです。
十分で良好な睡眠はあなたの一日の生活を順調に過ごすための第一歩です。精液所見にも影響しますので、ご自身の睡眠を一度見直してみてはいかがでしょうか?

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亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。

「運動誘発性の酸化ストレスとメラトニン補充:現在のエビデンス」というタイトルのレビュー論文が日本生理学会発行の「The journal of physiological sciences(JPS)」に発表された。メラトニンの化学構造や代謝、生物活性、抗腫瘍効果などの詳細な解説とともに、スポーツパフォーマンスとの関連について考察した、ポーランドと英国の研究者の論文。パフォーマンスへの影響について述べている部分を中心に、一部分をピックアップして紹介する。

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メラトニンは、睡眠サイクルを調節することに加えて、抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、アスリートの間では古くからサプリメントとして使用されてきている。また運動がメラトニンの分泌に影響を与える可能性もある。メラトニンに関して多くの研究結果が報告されてきたが、身体活動との関係についての包括的なレビューはまだ行われていない。

適切な睡眠と回復は、アスリートのパフォーマンス向上に不可欠。アスリートの多くが睡眠サプリメントを使用していることが報告されている。メラトニンもその一つだが、メラトニンには睡眠改善に加え、抗酸化作用により筋肉を保護するように働く可能性がある。

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高強度の急性運動は酸化ストレスを増大させ、筋肉の炎症と組織のダメージを引き起こす。また、持久系アスリートは高いトレーニング負荷のために、睡眠の質が低下することが多い。そのような激しいトレーニングもまた、メラトニン分泌レベルを低下させることが報告されている。

この分泌は、遺伝因子、性ホルモン、年齢、食事、光曝露、季節、低酸素、身体活動、疾患、薬物によって修飾され、分泌が促進または阻害される。このうち身体活動との関連については、運動の種類や性別に関係なく、日中の運動時間、光の強度、トレーニングレベル、運動量(強度と持続時間)に依存する。それらのすべてを考慮して分泌量を制御することは困難と言える。


男性不妊 · 生活習慣 · 倫理 · 疾患 · お知らせ · 2024.11.08

また、10名のエリート女性ネットボールアスリート(23±6歳)を対象とする7日間にわたる研究では、トレーニング日はトレーニングの直前(午後7時15分)のメラトニンレベルは6.2pg/mL、トレーニング後(午後10時)は17.6pg/mLであるのに対して、休息日は同順に14.8pg/mL、24.3pg/mLであり、トレーニング期間中はメラトニン分泌が低下していた。

メラトニン 睡眠に関するホルモン · DHEA 女性・男性ホルモンの原料

ヒトの運動誘発性酸化ストレスに対するメラトニン摂取の効果を検討した研究が複数報告されている。それらはメラトニン摂取のタイミングが異なる。エクササイズの前に摂取した研究が7件、就寝前の摂取が4件あり、その用量、運動の種類・強度・期間・実施時間・トレーニングレベルも異なる。

男性ホルモンは皮脂分泌の増加に影響を及ぼすため、男性の肌の皮脂量は ..

DHEA、メラトニン、成長ホルモン(IGF-I)、性ホルモン(テストステロン、エストロゲン)は、若さを保つために重要なホルモンです。これらのホルモンは、加齢とともに減少していくため、積極的に補充して老化を食い止めようというのがホルモン補充療法です。

ホルモン補充療法には、副作用や禁忌がありますので、専門の医師の管理のもとで、生活習慣の改善と並行して行う必要があります。

したがって、外界が暗くなったときに、N-acetyltransferaseが活性化されて、メラトニンができるのである(図1、図2)。 ..

DHEAは女性ホルモンと男性ホルモンの材料になるホルモンで、おもに副腎で合成されます。DHEAの分泌は思春期から急上昇し、20歳代半ばまで高値を保っていますが、その後は加齢とともに直線的に減少します。アメリカでの大規模試験をはじめとする疫学調査により、DHEAの量が多い男性は長生きであるということが明らかになり、DHEAは長生きの指標になる若返りホルモンと考えられています。

中年以降の肥満の男性に多く、いびきがひどく、ベッドパートナーからは息が止まる.

また、16名の若い男性サッカー選手に対し、その半数に運動30分前に6mgのメラトニンを摂取させ、135bpmの急性運動後、対照群に比較しマロンジアルデヒドに群間差が認められた。非活動的な20名の女性を、トレーニングのみを行う群とトレーニングに加えメラトニン3mg/日を摂取する群に分け、最大心拍数に対し60~80%の強度で15~45分のトレーニングを8週間続けた研究では、運動後のマロンジアルデヒドの上昇がメラトニン摂取を加えた群で抑制されていた。

男性ホルモン」と「メンズ美容」の関係について。最近、「男性更年期障害」という言葉を耳にするようになってきた。実は、「男性 ..

レビューの結論としては、「報告されている研究は全体的に運動プロトコルのバリエーションが大きく、またサンプルサイズが小さく、評価している酸化ストレスマーカーが異なる」といった解釈の限界点を挙げて、結果に一貫性が欠くことを述べている。そのうえで、「今後の研究では、さまざまなカテゴリーの競技にわたるより多くのアスリートを対象に、メラトニン摂取の安全な投与量・方法を検討する必要がある」とまとめられている。

男性外来 · 部分痩せ・痩身治療 · ダイエット・肥満症外来 · 酒さ(赤ら顔・にきび) · 乾癬

DHEAはナチュラルホルモンですが、過剰に摂取すると、男性ホルモンおよび女性ホルモンの作用が過剰になり、ニキビ、乳房痛、月経不順が出現することがあります。肝障害にも気をつける必要があります。乳がんや前立腺がんの(可能性がある)人には投与できません。妊娠中や授乳中の摂取の安全性は確立されていません。

男性は30代、女性は40代で「ヨボヨボ化」が急加速…休んでも疲れがとれない人がやる ..

メラトニンには、睡眠を促す働きだけでなく、フリーラジカルや活性酸素を除去する作用があるため、抗加齢ホルモンとして注目を集めています。また、脳に対する効果や骨塩を増加させる作用があり、加齢性認知機能の改善、インプラント、骨折治療などへの応用が進められています。さらに、不妊症の治療、白内障の予防、がん治療、放射線障害の予防に対しても効果があることが分かり、注目を集めています。

男女ともにセックスでオーガズムに達すると、脳内でメラトニン ..

メラトニンの材料になるのは、セロトニンという脳内物質です。セロトニンは、必須アミノ酸の一つであるトリプトファン、鉄、亜鉛、ビタミンB6などから合成され、メラトニンと入れ替わるようにして昼間に分泌されるます。セロトニンは、日光の刺激、リズミカルな体の動き、癒やされ感などによって分泌が増えます。したがって、メラトニンの分泌を増やすには、朝日を浴びて体内時計をリセットし、夜は真っ暗にして寝ることが基本ですが、適度な運動を行い、バランスの良い栄養をとり、癒やしのある生活など、セロトニンを増加させる生活習慣も大切です。

つまり、セックスによるメラトニンの分泌は、男性更年期障害を防ぐ効果も期待できます。

メラトニン補充療法の適応は、時差ぼけや睡眠障害の改善、酸化ストレス対策、骨粗鬆症対策、認知機能改善などです。メラトニンは、睡眠導入剤とは異なり、生理的で自然な睡眠をうながし、睡眠の質を改善する効果があります。

メラトニンは国内では手に入らないため、輸入製剤(錠剤のナチュラルホルモン)を使用します。

メラトニンはナチュラルホルモンですので、薬剤に比べるとの安全性は高いと考えられますが、過剰に摂取すると、眠気、頭痛、吐気などが生じることがあります。また、他の安定剤や眠剤と併用すると、効き過ぎる恐れがありますので注意が必要です。メラトニンは免疫に影響を与えますので、自己免疫疾患を悪化させる可能性があります。小児、妊娠中、授乳中は禁忌です。

男性用のサプリメントは? 最近は、男性の方からも、精液検査のときや、男性外来受診時に、

成長ホルモンには、骨、筋肉,皮膚を若々しく保ち、脂肪を減らし、免疫力、治癒力、性的能力を高める働きがあります。年をとると、肌がたるんで弾力性がなくなり、筋肉が衰えて体に脂肪がたまってくるのは、成長ホルモンの減少が一因です。

男性:43.2%、女性:42.7%); 40~49歳の男性は「仕事」(38.8%); 30~39歳の女性は「育児」(30.9%)

健康的な睡眠は、「質」のよい一日にするための第一歩です。当施設でのでも睡眠時間を含めて、いつも規則正しい生活を送ることをお願いしています。
すでに川井院長のブログで睡眠と男性不妊症との関連について掲載されています。

札幌・東京・新宿・名古屋・大阪・福岡に拠点があり、いずれも駅から徒歩4分以内。男性特有のお悩みに、症例数の豊富な男性 ..

1990年、成長ホルモンを投与すると、筋肉が増えて脂肪が減り、骨密度が高まり、皮膚が若返り、ケガの回復が早くなり、性的衝動が高まるなどの若返り効果があるという画期的な研究成果が発表されました。それ以来、アンチエイジングのための成長ホルモン投与が試みられてきましたが、現在では副作用などから推奨されていません。成長ホルモンは、アミノ酸から作られ、睡眠、運動(筋力トレーニング)によって分泌が増え、甘いものを摂ると分泌が減ります。成長ホルモンの分泌を増やして若々しい体を作るには、睡眠を十分にとり、間食をせず、良質な蛋白質の摂取を心がけ、積極的に運動を行うことが重要です。