心拍数を測定する」検査をして、横になっているときと体を起こしたあとの血圧 ..


④ 自律神経のバランスを整える
自律神経には活動モードの「交感神経」と癒やし・回復モードの「副交感神経」があり、交互に上昇、低下を繰り返します。日中は前者が優位、夜間は後者が優位となります。睡眠中は副交感神経が優位で、血圧や心拍数、呼吸数、体温が低下し代謝も低下します。同時に、疲労回復を進め明日の活動のために心身を整えていくのです。
睡眠の時間や質が低下すると、交感神経優位の状態が長くなり、基本的な身体活動に不調を来します。それだけでなく、身体活動機能や思考力、気分も低下し、結果的に本来のパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。


器の子時計に指示を出し、睡眠や血圧、体温、心拍数、免疫機能、ホルモン分泌、代謝などを制

③ 免疫力を向上させる
図2は、睡眠時間が短いほど風邪に罹りやすいことを示しています*2。免疫系は多彩な免疫細胞や物質から成り、それぞれが役割分担して複雑なシステムを確立しています。免疫システムの主力として感染やがん細胞に立ち向かうTリンパ球の活動は夜間に活発になります。睡眠前から睡眠期前半にかけて多く分泌されるメラトニンは胸腺に作用してTリンパ球をたくさん作らせるため、十分な睡眠を取れていないと免疫システムも十分な威力を発揮できなくなります。

② 疲労回復を早めアンチエイジングを促す
睡眠中のホルモン分泌のパターンも、心身のメンテナンスに深く関わっています*1。図1を見てください。寝入りばなに多く分泌されるのは成長ホルモン。筋肉、骨、内臓、皮膚などのダメージを修復し、疲労回復に導く重要なホルモンです。アンチエイジングホルモンとも言われています。「寝る子は育つ」のみならず、「寝るオトナは若返る」。一方、眠りの前半部分から増えるのがメラトニン。メラトニンには抗酸化作用があり、がんや老化を抑えるはたらきがあります。そして、起床前から日中の活動に備えて増えるのがコルチゾール。睡眠不足はこのようなホルモンの分泌リズムを乱し、心身の不調の原因となります。

一方、non-REM睡眠は、呼吸や心拍数、体動も少なく、静かな眠りの時期です。 ..

① 脳内のゴミを取り除き、記憶の整理をする
脳は、活動中に学習した記憶を整理し、必要な情報を定着、強化、一方で不要なものを脳脊髄液中に排泄するという「保守作業」を毎日行っています。このはたらきは主に睡眠中に行われます。老廃物のひとつ、アミロイドβというタンパクが脳に蓄積することが、アルツハイマー病の原因と言われていますが、睡眠不足になるとこのメンテナンスがうまく行われず、認知症発症のリスクが高まることがわかっています。

その後、睡眠検査(Sleep Test)を行い、睡眠の質、脳波の特徴、体内の酸素濃度を評価します。また、睡眠中の心電図データを使用して、睡眠時の心拍異常を評価することもできます。これは通常、心臓の異常症状と関連しており、さらに心臓専門医の指示に従って心臓の詳細な検査を行います。これには、心臓の機能性を評価するEST(Exercise Stress Test)、高周波超音波(Echocardiogram)、心電図(EKG)などが含まれます。

メラトニンの分泌が始まり,睡眠・覚醒リズムが整い出してきます.1歳頃 ..

ヒトの睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠という質的に異なるふたつの状態で構成されています*3。レム睡眠は“Rapid Eye Movement”(眠っているときに眼球が素早く動くこと、REM)からこのように呼ばれています。図3には健常成人の典型的な夜間睡眠パターンが示されています。寝入りばなから90分ほど深いノンレム睡眠が続き、その後約90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返し出現します。レム睡眠は睡眠の後半から起床前にかけて増え、この時間帯は心身ともに覚醒への準備状態になるといわれています。
表1に2つの睡眠パターンの違い*4を示しました。ノンレム睡眠では大脳皮質を集中的に冷却し休養を取らせます。頭は深く眠っていますが、筋肉はそれほど緩んでおらず、どちらかというとパソコンの“スリープモード”に近い状態です。一方レム睡眠では主にからだを休めており、筋肉が弛緩してエネルギーを節約します。パソコンで言えば完全な“オフラインモード”。夢を見るのは主にレム睡眠中です。またレム睡眠中は自律神経系が交感神経優位となり血圧や脈拍が変動しやすい状態となります。

睡眠が浅い、または完全にリラックスできない場合、体の修復プロセスが完全には行われません。American Heart Associationによると、不眠症や浅い睡眠は血圧と心拍数の増加、脂肪と糖の増加、様々な炎症反応、心臓機能の低下、血管の劣化を引き起こし、最終的には冠動脈と脳の血管に悪影響を及ぼす可能性があることがわかっています。

しかし、決して、身体の働きが止まっているわけではありませんし、特にREM睡眠の時には、呼吸数や心拍 ..

いびきをかく人は、ストレスが多い人、肥満の人に多く見られます。これは睡眠中の一時的な酸素欠乏を引き起こし、心臓と脳に悪影響を与えます。ScienceDirectによると、睡眠時無呼吸や気道閉塞は、正常な睡眠をとる人に比べて心房細動(Atrial Fibrillation)のリスクが5倍高いとされます。この状態は、心室の肥大や心内の血栓形成を引き起こし、脳梗塞の危険性を高めることが示されています。

睡眠と覚醒では、自律神経系の活動も変化します。覚醒から睡眠に向かう過程では、交感神経系の活動が低下し、結果として相対的に副交感神経系の活動が優勢になります。自律神経系とは、自動車のアクセルの役割をし、生物が戦ったり逃げたりする(闘争・逃走反応)のに適した状態を作り出す神経系である交感神経系と、ブレーキの役割をし、安静な状態を保つ働きをする副交感神経系の二つの神経系から構成される神経のシステムで、このアクセル役(交感神経系)とブレーキ役(副交感神経系)がバランスをとることで、生物の状態をある一定の範囲内で安定させています。自律神経系は基本的には意志の力では制御できません。制御できないことは、言い換えれば意図的に制御しなくても自動的に制御してくれるということです。自律神経系は意志の力を借りなくても生物の状態を一定に保つ役割を自動的にしてくれている役割を担っていますが、このことから特に生命維持に関わる機能は自律神経系の支配下にあります。心臓の拍動の制御なども自動的に行われていますが、もし、心臓の拍動が意志で制御しなくてはならないとすると、忘れっぽい人などは、心臓を動かすのを忘れて死んでしまうかもしれません。ですので、このような生命維持に関わる機能は自動制御されているというわけです。

睡眠中は、ブレーキの役割を果たす副交感神経系の働きが相対的に優性になり、言わば、睡眠中は、大雑把な言い方をすれば身体の状態は「休んでいる」状態に近くなります。しかし、決して、身体の働きが止まっているわけではありませんし、特にREM睡眠の時には、呼吸数や心拍数は上昇し、交感神経系の働きが一時的に優性になります。しかも、単に交感神経系が優位な状態というのではなく、呼吸数や心拍数は上昇や下降を繰り返し、不安定な状態となります。REM睡眠中に生じるこのような自律神経系の状態を「自律神経系の嵐」と呼ぶことがあります。

また、睡眠中には比較的大量の汗をかきますが、その発汗は、睡眠の前半に出現する深睡眠(徐波睡眠、睡眠段階3+4)と一致しています。この深睡眠と一致して現れる発汗は、発汗中枢を抑制している大脳皮質の働きが、深睡眠中に一時的に弱くなるためと考えられています。

睡眠中には、様々なホルモンが分泌の状態を変化させます。例えば、脳の松果体という場所から分泌されるメラトニンというホルモンは、明確な24時間の分泌リズムを示し、日中の分泌量は少なく、夜間睡眠の前から分泌量が増加し、睡眠中に分泌量がピークを迎え、睡眠の後半に減少していきます。また、成長ホルモンというホルモンは、夜間睡眠の前半の深睡眠と一致して分泌量がピークを示し、睡眠の後半や日中には低値を示します。前者のメラトニンは、睡眠に直結しているというよりも、約24時間のリズム(概日リズム)を示し、生物時計の支配下にあり、一方で、成長ホルモンは、睡眠という状態に依存しています。メラトニンは夜間に徹夜して覚醒を続けても、分泌のパターンは変わりませんが、後者の成長ホルモンは徹夜をしてしまうと夜間のピークは出現しなくなります。

前者のメラトニンのような生物時計の支配下にあるホルモンを「リズム依存性」のホルモンと言い、後者の睡眠をとるかとらないかで分泌のパターンが変化するホルモンを「睡眠依存性」のホルモンと呼びます。前者の他の例としては、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールがあげられ、後者の他の例としては、黄体刺激ホルモンであるプロラクチンがあげられます。

このように、夜間の睡眠は、外からはただ同じように眠っているだけのように見えますが、ずっと一様の状態というわけではなく、身体の状態を詳しく見てみると、様々な状態から構成されている複雑な現象だという事が分かります。

次回は、睡眠の背景にある生物リズムについて解説します。


ノンレム睡眠では脳活動が休まり、交感神経の活動も休息して心拍数や呼吸数、血圧が低下します。

National Library of Medicineによると、過去年間で平均睡眠時間が一人あたり時間短くなり、過去年間で労働日の睡眠時間が分減ったと報告されています。一日時間未満の睡眠は体に悪影響を及ぼすことが分かっており、脳のメラトニンの分泌が減少し、自律神経系が過剰に刺激され、心拍数が上がり、血圧が高くなり、インスリン抵抗性が生じ、最終的に心臓肥大のリスクが高まることが示されています。

メラトニンの主要標的領域の1つである視交叉上核(SCN)が、SGA ..

図5からもお分かりのように、REM睡眠は7,8時間の夜間睡眠の間に3回から5回程度繰り返して出現します。その繰り返しは、約90分の周期を持っている事が知られています。この約90分の周期のことを睡眠周期(Sleep Cycle)と呼びます。しかし、この90分の周期というのは、時計のように正確という訳ではなく、60分程度から120分程度までの範囲で変動し、これらの平均をとると約90分であるという事です。図5はDement & Kleitman (1957)の図を引用(改変)しているものですが、この図はあくまでも典型的な夜間睡眠の経過を表しており、このような規則正しい90分程度の周期性を常に示すというわけではありません。

また、成人の通常の夜間睡眠は図のようにNREM睡眠から始まり、深いNREM睡眠(徐波睡眠)を経たのちに最初のREM睡眠に入るのですが、24時間の周期性(前述の概日リズム.例えば昼行性動物が昼間覚醒し、夜間に睡眠をとるなどのリズム)を明確に示すようになる前の乳児では、REM睡眠(乳児期には筋の抑制が不十分で体動が伴うため、動睡眠(Active Sleep)と呼ばれる)から睡眠が始まることの方が一般的で、24時間の周期が出来るようになると、大人と同じようにNREM睡眠から始まる睡眠へと変化していきます。

さらに、成人であっても、日中に仮眠をとったり、夜に分断された睡眠をとったりなど、通常とは異なる睡眠パターンをとった場合には、睡眠がREM睡眠から開始する場合もそれほど珍しくはありません。REM睡眠が覚醒に続いてすぐに出現することを入眠時REM睡眠と呼びますが、この時にいわゆる「金縛り体験」が生じる事が分かっています。(金縛り体験については、睡眠研究所のWebsiteの「睡眠と心理学」の中の説明を参照してください。)

コルチゾールは、朝、起きる直前に多く分泌され、心拍数が増加したり、体温や血圧 ..

一方,松果体ホルモンであるメラトニンの血漿濃度は日中(明期)低く,夜間(暗期)高いことが知られている4).松果体は視交叉上核より上頸神経節を介した神経投射を受けている.また,視交叉上核には,網膜より外側膝状体への経路および途中より視蓋・上丘へ分岐する経路(第一次視覚路)とは別に,網膜から視交叉上核に終る網膜視床下部路の入力がある4).これらにより,血中メラトニン濃度は視交叉上核による内因性リズムと光による調節を受けていることが確かめられている.メラトニンには鎮静作用・催眠作用・鎮痛作用・血小板凝集抑制作用・卵巣機能抑制作用・抗高コレステロール血症作用・体温低下作用などが報告されている5).他にも広範囲にわたる検討が行われつつあり,本稿では基礎的研究を中心に心血管系に及ぼすメラトニンの影響について紹介する.

[PDF] およびメラトニン分泌に対するハタヨガとオーム瞑想の効

血圧や心拍数の日内変動が広く知られており1),心臓死,心筋梗塞および心電図上の心筋虚血の発生頻度にも日内変動が認められている2).また,健常者における気道径の日内変動が,喘息患者でより顕著であることなど3),呼吸・循環系における日内変動は生理学的にも病理学的にも大変興味深い.これらの日内変動の他にも多くの生体リズムが認められており,それらは温度変化,明暗周期および摂食時刻などの時間的手掛かりが一切ない恒常条件下においてもほぼ24時間の周期を示す.これを概日リズム(サーカディアン・リズム)と呼び,生体内に時計に相当する機構の存在が推測された.種々の研究により,哺乳類では視交叉上核に生体時計が位置することが立証されている4)

生理的指標は、起立耐性、心拍数、血圧、呼吸数、肺機能。心理的指標は、IPAT 不安テ

実は、このジフェンヒドラミンは、もともとは睡眠薬として開発されたものではなく、蕁麻疹やアレルギー性鼻炎の治療薬として開発され、現在も尚、その用途に使用されています。
しかし、注意点もあり、一般的な副作用として、口の渇きや心拍数の増加、尿量の減少、便秘などが挙げられています。これは、以前から指摘されているもので、こうした症状が出た場合には服用を控えた方がよいでしょう。

狩猟に向かう時には身体能力を最大限に引き出すために交感神経は緊張して心拍数を上げて準備します。 ..

表1に2つの睡眠パターンの違い4)を示しました。ノンレム睡眠では大脳皮質を集中的に冷却し休養を取らせます。頭は深く眠っていますが、筋肉はそれほど緩んでおらず、どちらかというとパソコンの“スリープモード”に近い状態です。一方レム睡眠では主にからだを休めており、筋肉が弛緩してエネルギーを節約します。パソコンで言えば完全な“オフラインモード”。夢を見るのは主にレム睡眠中です。またレム睡眠中は自律神経系が交感神経優位となり血圧や脈拍が変動しやすい状態となります。

体温上昇・心拍数増加・夜間の血中コルチゾール・ACTH濃度増大

REM睡眠は睡眠の後半で出現しやすく、徐波睡眠は睡眠の前半に集中して出現するのですが、このパターンの背景にあるメカニズムは、REM睡眠と徐波睡眠では異なっているとされています。REM睡眠は、地球上の生物のほとんどが示す、約24時間の周期のリズム(概日リズム、Circadian Rhythm)を背景として生じているとされ、次の日の午前中も眠りを続けた場合には、午前中にREM睡眠は出現しやすく、さらに日中の午後に眠った場合には、REM睡眠は出現しにくくなります。

徐波睡眠は夜間睡眠の前半で出現しやすく後半で出現しにくくなるというパターンを示すので、こちらも約24時間のリズムによって制御されていると解釈できそうですが、実はそうではなく、徐波睡眠の出現量は、睡眠の前の覚醒時間の長さの関数になっています。つまり、眠る前にどのくらい目覚めの状態でいたのか、その時間が長ければ長いほど、睡眠に入った後に出現する徐波睡眠の量は多くなります(図6)。

副交感神経亢進優位に成り、心拍数が低下します。 ページの先頭へ

そのため不規則な生活や、日中に太陽光を浴びない生活を続けると、メラトニンがうまく分泌されず、不眠症などの睡眠障害の原因となります。またメラトニンは幼児期(1~5歳)に一番多く分泌され、歳を重ねる毎に分泌量が減っていきます。そして歳を取るとメラトニンの分泌量が減るため、睡眠時間が短縮されます。体内時計のリズムを整えるためには、起床時刻や就寝時刻を一定にするなど一日の生活リズムを整えることや、朝起きたときに日光を浴びることが大切です。夜は自然に深部体温が下がり眠くなるので、規則正しいリズムの眠りができ、脳と身体を休めることができます。

眠りが深いか確かめる方法。主観的・客観的な判定で得る理想の睡眠

私たちは、「メラトニン」という睡眠ホルモンの一種により、正常な体内時計を保っています。メラトニンは、抗酸化作用により細胞の新陳代謝を促し、病気の予防や老化防止に効果的であるとも考えられています。メラトニンには、脈拍・体温・血圧などを低下させることで睡眠の準備が出来たと体を認識させ、睡眠に向かわせる作用がある為、朝日を浴びて規則正しく生活することで、メラトニンの分泌する時間や量が調整され、人の持つ体内時計の機能、生体リズムが調整されます。

深い眠りでは心拍数、呼吸数は安定して少なくなる傾向です。心拍数が多い ..

7~8時間睡眠が最適な理由として、成長ホルモンの分泌にも関与しています。アンチエイジング系ホルモンの中心とも言える成長ホルモンは、1日の分泌量の約7割が睡眠中に分泌され、そのうち約7割が眠り始めの2、3時間に分泌されます。その後全身に行きわたり、約7時間の睡眠で十分な機能を発揮します。