それではフォシーガは、どのようにして効果を発揮するのでしょうか?







「臨床試験の例」

エンパグリフロジン(日本の商品名:ジャディアンス)25mgを、1型糖尿病の若年成人に8週間投与した際の結果では、HbA1cが平均0.3%低下し、一日総インスリン投与量は、基礎インスリン量が主として減少し、平均54.7単位から、平均45.8単位に減少しました。

体重減少も認め、平均72.6kgから平均70.0kgになっています。

副作用としては、意外な事に、症候性低血糖の増加を認めていません。

カナグリフロジン(日本の商品名 カナグル)100mg、または、300mgを、1型糖尿病の成人に、18週間投与した臨床試験が行われています。

カナグリフロジン100mgを投与した結果では、HbA1Cは平均0.3%低下し、体重は、平均―3.4%減少し、一日総インスリン投与量は、基礎インスリンが主に減少し、4.1単位(8.9%)減少しました。

副作用としては、低血糖の発生率は、すべてのグループでほぼ同等でしたが、カナグリフロジン300mgの投与群では、重度の低血糖が報告されています。また、カナグリフロジン投与群では、糖尿病性ケトアシドーシスが報告されました。

この結果、1型糖尿病へのカナグリフロジンの効果はこれ以上、探求はされていません。

ダパグリフロジン(日本の商品名:フォシーガ)5mg、または、10mgを、1型糖尿病の成人に、24週間、もしくは、28週間投与した臨床試験の結果では、ダパグリフロジン5mgを投与した群では、HbA1cが平均0.42%低下し、一日総インスリン投与量は、平均8.8%減少し、平均2.96%の体重減少も認めました。

副作用としては、症候性低血糖の増加を認めませんでした。




[PDF] フォシーガ錠を服用される 1型糖尿病の方・ご家族の方へ

対象:食事や運動または使用している血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者249例
方法:フォシーガ錠5mgまたは10mg(増量時)を 1日1回52週間投与


1型糖尿病では、インスリン分泌能が枯渇している場合も多く、インスリン強化療法にて血糖管理が行われます。

内因性インスリンが枯渇している場合には、血糖値が不安定になりやすく、低血糖を繰り返している場合には、低血糖時の血糖上昇の反応が生じにくくなります。

1型糖尿病の方が、SGLT2阻害薬を内服中に低血糖をきたすと、尿中に糖分がもれていきますので、低血糖が遷延したり、重篤化するリスクが考えられます。

ケトアシドーシスについては、SGLT2阻害薬で生じる正常血糖糖尿病性ケトアシーシスと、1型糖尿病のインスリン作用不全で生じる糖尿病性ケトアシドーシスは、主たる発症メカニズムが異なるため、リスクは上昇しないかもしれません。

1型糖尿病の方へ長期投与した際の心血管系保護作用や腎保護作用などの副次的効果は、今のところ不明です。




選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ」の1型糖尿病治療における適正使用

糖尿病合併の有無を問わない慢性腎臓病患者さんを対象に、フォシーガ錠10mgを標準治療に追加したときの結果は次の表の通りです。
(投与期間:最長39.2ヵ月)


海外の1型糖尿病に対して、SGLT2阻害薬を投与した臨床試験では、次の効果が示されています。

フォシーガの1型糖尿病患者さんへの適正使用についてご紹介します。 各薬剤の使用にあたっては電子添文をご確認ください。

肝機能障害がある方では、フォシーガの代謝が遅延するおそれがあります。また、フォシーガは、重度の肝機能障害がある方に対して長期の使用経験がありません。
そのため、肝機能障害がある方へフォシーガを使用する場合は、慎重に投与を進めていきます。

重度の腎機能障害がある場合、あるいは末期腎不全で透析中の場合は、フォシーガの血糖降下作用が期待できません。また、腎機能障害が中等度であっても、十分な血糖降下作用が得られない場合があります。そのため、腎機能障害がある方にフォシーガを使用する場合は、定期的に検査を行うなどして投与の必要性を慎重に判断します。
慢性心不全や慢性腎臓病に用いる場合も、腎機能障害の悪化などに留意しながら投与の必要性を判断していきます。

フォシーガ錠5mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

フォシーガを妊娠中の方に投与した場合の安全性は確立されていません。
なお、動物を対象とした試験では、フォシーガが胎児へ移行することが確認されており、出生児の腎盂および尿細管の拡張が認められたとの報告もあります。
したがって、妊娠中の方や妊娠している可能性のある方にはフォシーガを投与せず、糖尿病がある場合はインスリン製剤などを使用します。

添付文書上、フォシーガとの併用が禁忌となっている薬剤はありません。しかし、糖尿病治療薬や血糖降下作用に影響を与える薬、利尿薬などとの併用には注意が必要です。他の医療機関で下記のような薬剤を処方されている場合は、診察時にご相談ください。


ダパグリフロジン :フォシーガ; イプラグリフロジン:スーグラ

標準的な治療を受けている慢性腎臓病の方を対象とした臨床試験では、標準的な治療にフォシーガを追加することで病状の悪化(腎機能の悪化、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)が相対的に39%低下することが示されました。この試験では、副作用についても大きな問題がないことが確認されています。

選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ」の1型糖尿病を対象とした第III相臨床試験 DEPICT‐2試験

おもな副作用として、性器感染や尿路感染(膀胱炎など)が報告されています。その他、便秘や口渇、頻尿や尿量の増加なども報告されています。
また、重大な副作用として、低血糖、腎盂腎炎、敗血症、脱水などが報告されています。重大な副作用が発生することは稀ですが、下記のような症状があらわれた場合は適切な処置を行ったり受診して治療を受けたりしてください。

フォシーガが1型糖尿病への適応拡大 「正常血糖ケトアシドーシスには注意が必要」 患者・医療従事者向けの指導箋の活用を呼びかけ ..

標準的な治療を受けている慢性心不全の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用で心不全関連イベント(心血管死、心不全圧下による入院など)が26%低下しました。
つまり、標準的な治療にフォシーガを追加することで、心不全悪化のリスクや死亡がおさえられ、生命予後が改善される可能性が示唆されたということになります。

AZ SGLT2阻害薬フォシーガ、1型糖尿病の適応追加申請 | ニュース

フォシーガは、小児などを対象とした臨床試験を実施していません。
ご家庭ではお子さまの誤服用を防ぐため、フォシーガの保管場所などにご注意ください。

AZ SGLT2阻害薬フォシーガ、1型糖尿病の適応追加申請 ..

2型糖尿病の方を対象とした臨床試験では、フォシーガの服用でHbA1cが平均で0.41~0.45低下したという結果が得られています。また、別の臨床試験では、長期間にわたって安定した血糖コントロールが得られたことが報告されています。
また、インスリンによる治療で血糖コントロールが十分にできていない1型糖尿病の方を対象とした試験では、インスリンとフォシーガの併用でHbA1cが平均で0.36~0.40低下したという結果が得られています。

どちらがあなたに向いてる?SGLT2阻害薬(フォシーガ)とGLP-1

高齢の方においては、副作用の一つである脱水症状(口渇など)の自覚が乏しい場合があります。そのため、高齢の方へフォシーガを使用する場合は、症状の変化や副作用の発現などに注意しながら、慎重に治療を進めていきます。

フォシーガ錠10mg|一般的な治療薬【臨床研究情報ポータルサイト】

フォシーガは、2型糖尿病、1型糖尿病、慢性心不全(慢性心不全の標準的な治療を受けている場合に限る)、慢性腎臓病(末期腎不全または透析施行中の場合を除く)に適応があります。
効能効果ごとの用法用量は、以下のとおりです。

通常、成人にはダパグリフロジンとして5mgを1日1回経口投与する。 · <1型糖尿病>

フォシーガは、2型糖尿病だけでなく1型糖尿病にも適応があり、慢性心不全や慢性腎臓病の治療にも使用される薬剤です。血糖降下作用がインスリンに依存しないため、単独で用いる場合は低血糖の発生リスクが低いとされています。糖尿病の有無に関係なく左室駆出率の低下した慢性心不全に適しており、標準的な治療に追加することで予後の改善が期待できます。また、食事の影響を受けないため、食前でも食後でも服用できるという利点もあります。

SGLT2阻害薬「フォシーガ」「アプルウェイ/デベルザ」など承認取得

血糖値の高い方がフォシーガを服用すると、尿量が増えて脱水症状があらわれることがあります。糖尿病の治療としてフォシーガを服用する場合は、脱水予防のためにこまめに水分を摂取するようにしてください。
ただし、アルコール摂取は水分補給になりません。また、糖分を含む清涼飲料水は血糖コントロールを悪化させるため、避ける必要があります。
なお、心不全や腎臓病がある場合は過剰な水分摂取で症状が悪化することもあるため、診察時にご相談ください。

SGLT2阻害薬とは2014年から新しく使われるようになったお薬です。当院ではフォシーガ ..

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)は、ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2を選択的に阻害する薬剤です。
SGLT2とは、腎臓の近位尿細管におけるグルコース(糖)の再吸収で重要な役割を担う輸送体です。フォシーガは、SGLT2を競合的かつ可逆的に阻害してグルコースの再吸収を抑制し、尿中グルコース排泄を促すことにより、血糖コントロールを改善します。
また、体液量の補正や血圧低下、血行動態の改善などさまざまな作用により、慢性心不全や慢性腎臓病を改善する効果も期待できます。
なお、「フォシーガ(forxiga)」という名称は、患者さまのため・患者さまの家族のため・医師のためを表す「for」と、inhibit glucose absorption(糖の吸収を阻害する)の頭文字の「iga」を掛け合わせる(x)ことで、既存の血糖降下薬にはない新たな作用であることを表現しているそうです。

フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)| 処方薬 | お薬検索

フォシーガなどSGLT2阻害薬の特徴的な副作用として、性器感染や尿路感染(膀胱炎など)があります。これは、SGLT2阻害薬の作用により尿中に糖分が多く排出され、尿路や陰部で雑菌などが繁殖しやすくなるためです。
性器感染症・尿路感染症は治療が遅れると、腎盂腎炎や敗血症などをまねくこともあります。気になる症状がある場合は、すみやかに受診して適切な治療を受けてください。

一般的に、1型糖尿病患者が糖尿病性ケトアシドーシスになるのは高血糖の ..

また、重篤な副作用としては、低血糖、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症、脱水、ケトアシドーシスがあります。

フォシーガの副作用は?初期症状やダイエットにおける注意点を解説

フォシーガの服用で血糖値が低くなり過ぎると、低血糖症状があらわれることがあります。低血糖の症状があらわれたら、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲料水などを摂取しましょう。
糖分を摂っても症状が回復しない場合は、すみやかに受診してください。また、症状が回復した場合でも、次回受診日には低血糖症状があらわれたことを必ず報告してください。

[PDF] 1型糖尿病における SGLT2阻害薬投与の影響に関する ..


その他、フォシーガは、炎症抑制、心機能の改善等の心臓に有益な作用をもたらすことが知られています。