シティハンターとコブラを履修したいんですがどこから入るのがいいですか?
“シティーハンター”は、冴羽獠と槇村香、二人組のプロのスイーパー。ボディーガードから殺しまでどんな依頼でも、一度引き受けたからにはパーフェクトにこなす。依頼方法は、新宿駅東口の伝言板に自分の連絡先と「XYZ」と書くこと。これは後が無いという意味なのだ。今日もシティーハンターは、ライバルの海坊主や刑事の野上冴子などとともに、法では裁けない悪に立ち向かい、新宿の街で大活躍するのだった。
この第2シリーズでは、海坊主の過去(第15・16話)や、香の出生の秘密(第52・53話)、香の兄・秀幸にまつわるエピソード(第27・28話)も登場。獠と香の仲も少しだけ進展(第3・4話、第49・50話、第51話)し、最終話(第61・62・63話)では獠の過去が明らかになると共に、二人の絆が深まっていく。
シティーハンター2 | #12 場外乱闘流血必至!! 恋のコブラツイスト
こうしてみると、『コブラ』の様にヘテロセクシャルの男女ばかりが登場する作品はともかく、『シティーハンター』およびその続編の『エンジェルハート』や『烈火の炎』では同性愛者やトランスジェンダーが登場し、たとえその週の最後のオチに使われるギャグキャラだろうが「アブノーマル」と酷評されるあつかいだろうが物語上の役割を担う一方で、『うる星やつら』の藤波竜之介の様に強制的に男装させられているキャラや『らんま1/2』の紅つばさの様に趣味で女装しているキャラは登場しないのである。そして藤波竜之介も紅つばさもヘテロセクシャルであることを加味すると、高橋留美子先生の作品では「女装や男装はギャグとしては許容範囲だが同性愛者やトランスジェンダーは絶対に描かない」[注8]という規範を墨守して物語が完結まで進んでいることが見て取れるのである。
先日もおこなった高橋留美子先生のセクシャルマイノリティに対する見方の分析[注1]を今回もやってみる。今回は寺沢武一御大[注2]の『コブラ』と北条司先生の『シティーハンター』と安西信行先生の『烈火の炎』を挙げて、それ等の作品と高橋留美子先生の『うる星やつら』および『らんま1/2』を比較検討する。