・安全性情報等に関する報告(当該治験薬で発生した重篤な有害事象・年次報告) ..
加齢とともにホルモンの分泌能力が低下します。
特に入眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量が低下すると、体内時計の乱れや入眠困難による不眠症に悩まされます。メラトニンは脳内の松果体で生合成される入眠を促すホルモンであり、光刺激によって分泌量が変化します。
たとえば、朝日を浴びると日中分泌が抑制され、夜間にかけて分泌量が増加していき入眠が促されます。そのため、メラトニンの分泌能力が低下すると体内時計がズレてしまい、寝たい時に寝れなくなるのです。
ノボ ノルディスク ファーマは、臨床試験(治験)に関する情報の透明性を向上させることに取り組んでいます。
睡眠衛生とは睡眠に関連する問題を解消し、睡眠時間の延長や質の向上を目的に、入眠方法や睡眠環境を整えることです。つまり、生活習慣の一部を改善することであり、日々の積み重ねが睡眠状況に影響を及ぼすことになります。
たとえば、規則正しい生活を送ることは自律神経を整えます。その結果、体内時計の乱れを調整でき、睡眠サイクルの安定化に役立つでしょう。
他の睡眠衛生の改善についても詳しく知りたい方は「不眠症の対策法とは?|生活改善で質の高い睡眠を手に入れよう」の記事で詳しく解説しています。
入眠困難になる原因は、活動時間の減少やホルモンの分泌能力の低下です。特に定年を迎えると自宅で過ごす時間が増えて、日中の活動量が減った結果、睡眠を誘発しづらくなります。
中途覚醒が増える理由は、加齢とともに眠りが浅くなることです。その結果、睡眠中の光や物音などの外的刺激に敏感になり、目覚めやすくなります。また、トイレが近くなることも中途覚醒を促す原因でしょう。
基本的に体調不良などの症状がなければ、様子観察で問題ありません。ただし、体調不良が3か月以上続くなら不眠症治療も含めて、一度医療機関に相談することをオススメします。
転移再発トリプルネガティブ乳がんの初回治療を対象とした治験2 登録中
主観的な不眠症に悩まされる高齢者層(60歳以上)の割合は「約29.5%」であり、女性に多い傾向にあります。特に中途覚醒や早朝覚醒の割合は若年者に比べて「約2倍」あると言われており、高齢者は中途覚醒・早朝覚醒に悩まされやすいことがわかります。
また、実質睡眠時間についても、70歳代で平均「約6時間」と短いことから、平均睡眠時間という視点から見ても高齢者は不眠に悩まされるリスクが高いと言えます。
ラメルテオンは、体内時計を調整するメラトニン受容体(MT2)に対してメラトニンの16.9倍の作用をもたらすほか、ラメルテオンが体内で代謝されて生じるM-IIという物質もメラトニンの2/3程度の作用をもたらします(IC50)。問題は、体内で自然に分泌されるメラトニン自体は血液内に上記のとおり、どれだけ多くても夜間ピークで100pg/mL(0.1ng/mL)という程度でしか存在しないのに対し、ラメルテオンを1錠(8mg)投与すると、M-IIは54ng/mL(54000pg/mL)と、生理的なピーク濃度の少なくとも500倍程度以上の血中濃度を示します。さらにはM-IIは半減期(体から半分抜けていく時間)が2時間程度であるため、仮に就寝前の0時に服用した場合、12時間経過したあとも1/64が体内に残存していることになります(2^6=64)。これは、真昼の12時であってもメラトニンの夜間ピーク濃度の10倍程度以上の血中物質濃度、そして約6倍以上の受容体活性が残存することとなります。受容体活性(IC50)を反映したモデル図を以下に示します。
・治験に関する変更(治験実施計画書・治験薬概要書の改訂、治験分担医師の変更) ..
不眠症におけるカウンセリング治療は、患者とカウンセラーが対話を通じて心理的な要因や睡眠習慣、ストレスなどに焦点を当てるアプローチのことです。
カウンセリングでは、睡眠に関する思いを聴取しながら不安を共有し、それらに対する新しい認識や対処法を見つけます。
また、リラクセーション技法や睡眠環境の改善策もあり、症状の軽減や睡眠の質の向上が期待できるでしょう。
代表的なカウンセリングに「認知行動療法」があります。認知行動療法とは、普段から持っている考え方のクセや習慣を見直し、物事に対する別の見方を補う治療法のことです。睡眠薬の減薬に有効な治療として推奨されています。
不眠症には心身のバランスが影響することが多いため、薬物治療に加えて、カウンセリングが行えると総合的な治療効果が期待できます。
メラトニンは脳の松果体から分泌される「今が夜であること」を体が認識する働きを持つホルモンであり、下記のように、日没後かつ充分に暗い時点から分泌が開始され、真夜中に分泌のピークを迎え、朝明るくなると共に分泌が終了する性質があります。ピーク濃度は年齢と昼間に浴びた光の量によって異なってきますが、小児期の100pg/mLがおおむねピークです。
実験用マウスはメラトニンを合成できないので合成できるようにした
初診時の平均睡眠スケジュールは平日が3:21~11:03、休日が3:45~12:30でした。体内時計/クロノタイプの指標として知られるMSFsc(生理的な睡眠時間帯の中間時刻)は7:41でした。初診時は平均18:10(中央値18:00)に、平均0.653mg(中央値1/14錠)のラメルテオン投与が行われ、うちいくつかの症例では投与直後の眠気/倦怠感のためにさらに減量が行われ、最終的に平均投与量は0.571mg (1/7~1/50錠)となりました。この結果、平均約40日後の時点で、平均睡眠スケジュールは平日が0:17~8:43、休日が0:30~9:27、MSFscは4:46と、約3時間の大幅な前進が見られました(対応のあるt検定:p
睡眠日誌と諸症状から睡眠覚醒相後退障害(DSWPD)と診断された初診患者30名のうち、睡眠衛生指導を行ったものの症状がほとんど改善せず、かつ、再診に来院した23名について報告を行いました。年齢は14~46歳(平均23.5歳)、男性15名・女性8名で、全例に夜間の不眠症状と朝早い時間の覚醒困難が認められました。また、18名(78.3%)は、過去に通常用量のラメルテオン(8mg)を処方された経験がありましたが、いずれも効果不十分あるいは眠気の持ち越しや倦怠感等の問題により、初診時には服用していませんでした。
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「朝起きられない病」として知られる睡眠覚醒相後退障害(DSWPD/DSPS)に対して、夕刻(平均18:10)の超少量(中央値1/14錠)のラメルテオンの使用が、投与を受けた患者さんの睡眠覚醒リズムを平均約3時間有意に前進させ、「夜眠れない/朝起きられない/起きても体調が悪い」という諸症状の改善に効果的であったという内容を、複数例の症例報告として発表しました。また、既存の研究の薬理学的レビューを行うことにより、DSWPDの加療には通常用量(1錠=8mg)では多すぎると考えられること、「眠前」の投与だと服用時刻が遅すぎると考えられることを示しました。本報告は、東京医科大学精神医学分野の志村哲祥兼任講師らによって、米国睡眠医学会(AASM)公式雑誌のJournal of Clinical Sleep Medicine誌に、2022年8月5日に発表されました。
対象疾患, 開発フェーズ, 治験薬開発コード, 実施国・地域, 臨床試験情報公開サイトへのリンクと登録番号
治療の第一選択は睡眠衛生指導であり、特に光環境を中心に指導/調整が行われますが、効果が乏しいことも少なくないという問題があります。薬物療法としては、世界的にはメラトニンの投与が多く行われていますが、日本においては市販されておらず、処方薬も小児の神経発達症を除いて承認がされておりません。また、多くの国でメラトニンはサプリメントとして販売されていますが、品質が保証されておらず、ばらつき等があるという問題が存在します。 一方で、日本を始めいくつかの国ではラメルテオン(ロゼレム®錠)というメラトニン受容体(MT1/2)作動薬が不眠症に対する医薬品として承認されています。ラメルテオンもDSWPDの加療に有用である可能性があるものの、臨床試験は存在せず、ごく少数例の症例報告が存在するに留まりました。さらに、既存の研究や薬理学的プロファイルは「通常用量での投与はDSWPDを改善できないおそれがある」ことを示唆していますが、その理論的考察が充分ではありませんでした。 ここで我々は、DSWPDに対してごく少量のラメルテオンを夕刻に処方した例をまとめ、その効果の有無について検討すると共に、なぜ超少量のラメルテオン夕刻投与が効果的であると考えられるのかについての薬理学的レビューと検討を行いました。