ステロイド投与が必要になる場合も。今回、日本鋼管病院薬剤部と田中希宇人氏協力のもと作成したデキサメタゾン換算表と患者向けスライドを紹介。


もし、毎食後に1錠ずつで1日3錠を内服すると、プレドニゾロン換算で7.5mgを内服することになります。このプレドニゾロンで7.5mgというのは、要注意な数字です。というのも、長期にわたるステロイドの投与は、と密接に関係しており、骨量の減少はステロイド薬内服量に依存し、プレドニゾロン換算 7.5mgで内服している時には脊椎骨折相対危険度が5倍になると報告されているからです。また、骨量の減少は、ステロイド内服後3 ~ 6カ月以内に急激に進行します。逆にいえば、期間限定での内服であれば、ステロイド性骨粗鬆症のリスクに関しては、そこまで気にすることはないともいえます。勿論、ステロイドのリスクは、骨粗鬆症だけではなく、長期でなくても出てくる副作用はあるので、処方する側としては、患者さんの基礎疾患も踏まえつつ、適切な用量を心がけます。


換算などで力価を比較しやすいように伝えることが必要である。また、疑義 ..

「ステロイドは飲みたくないです。」
先日、膠原病で他院より紹介入院された患者さんからこのようなことを言われました。
お話を聞いてみたところ、以前ステロイド治療で顔がパンパンに腫れて嫌な思いをしたため、「もうあんな目には遭いたくない!」と仰っていました。
十数年間、私が薬剤師として働きだした頃からこのようにステロイドを否定する声をよく耳にしてきました。
当院では、主に膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス等)や呼吸器疾患の治療などにステロイドが使用されています。
ステロイドに対する正しい知識を理解して頂けるように今回はステロイド内服薬についてお話ししたいと思います。

あれ? おかしいですね、プレドニゾロン換算で 2.5mg とあります。これだと5mgのプレドニン錠の半分ですね。私の計算だと3分の1で1.7mg相当量だったのですが。べタメタゾン 0.25mg がプレドニゾロン換算で 2.5mgということは、べタメタゾンの力価はプレドニゾロンの10倍ということになり、どうも文献等での力価(4 : 25 ~ 6.25倍)と乖離があります。どちらが正しいのでしょうか。

大量(プレドニゾロン換算 60〜80mg/日):疾患活動性が高く急性期、又は ..

ステロイドには強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があり、また全身に作用するため種々の疾患に用いられます。
例えば、膠原病では免疫反応や炎症を抑えて関節の腫脹や疼痛を改善します。
呼吸器疾患では気道の炎症を抑えて気道閉塞や咳嗽や呼吸困難を改善します。
病的リンパ球の細胞死を誘導する効果もあり抗がん剤として使用されることもあります。
悪性腫瘍の化学療法施行時の悪心嘔吐の改善などにも使用します。
ステロイドには多くのエビデンスがあり、疾患に応じて様々な剤型や投与方法の選択が可能だというメリットがあります。

さて、セレスタミンにはどんな種類のステロイドが含まれているのかというと、「ベタメタゾン(betamethasone)」です。このベタメタゾンは、ステロイドの中でどのような立ち位置にいるでしょうか。私たち医業者は、ステロイドの強さや効き目の目安(ステロイドの力価)として「プレドニゾロン(プレドニン)換算」ということをやります。プレドニゾロン(プレドニン®)は、生物学的半減期が12~36時間の中間作用型のステロイドであり、その適度な作用時間から用量調整がしやすく、外来診療では最も多く処方されるステロイドです。したがって、他の種類のステロイドがどれくらいの力価を持つのか?を知りたいときには、このプレドニゾロン換算というのをやるとイメージがつきやすいのです。下表()によると力価はプレドニゾロン:ベタメタゾン = 4 : 25~30 ですので、一般的なプレドニン錠5mgは、べタメタゾンだと0.75mgに相当します(海外の正書や論文等では、4:25という比率の記載が多く、プレドニン錠5mgは、5 × 4/25 ~ 0.8mgのべタメタゾンと同程度の力価となります)。逆に言えば、セレスタミン配合錠に含まれるべタメタゾンの量は添付文書によると0.25mgですので、これは、プレドニゾロン換算だと、ちょうど0.75mgの3分の1なので、プレドニン錠5mgの3分の1相当ということになります(5 × 1/3 ~ 1.7mgのプレドニン)。

コルチゾールの各薬理作用に対する代表的コルチコステロイドの力価の換算値を示したもの.

ステロイド内服薬は多数ありますが、主な違いは効果持続時間です。
また各薬物によって糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の強さが異なります。
臨床で期待される抗炎症、免疫抑制などの効果は糖質コルチコイド作用の強さに依存しています。
鉱質コルチコイド作用はナトリウムの再吸収亢進とカリウムの排泄亢進があり、高血圧や電解質異常等の副作用として現れることがあります。
下の表に、当院採用薬の生物学的半減期、糖質コルチコイド作用の等価用量、糖質コルチコイド作用と鉱質コルチコイド作用の効力比(ヒドロコルチゾンを1とした場合)をまとめました。
等価用量とは、同等の効果を発現させるのに必要な用量(mg)のことです。

連日投与の場合は生体内利用率の低下を考慮し、 臨床効果を見て投与量調節すると良い。 また、 内服ステロイド1錠中のステロイド量は、 健康成人のヒドロコルチゾン分泌量 (約20mg/日)と同等となっており¹⁾、 臨床上の投与量の目安とされている。 ただし、ヒドロコルチゾン分泌量について、 10mg/日程度とする文献もあり議論が分かれている²⁾³⁾。

(2) 離脱症候群はプレドニゾロン換算で総量1000mgを越えたときに起こる可能性がある

連日投与の場合は生体内利用率の低下を考慮し、 臨床効果を見て投与量調節すると良い。 また、 内服ステロイド1錠中のステロイド量は、 健康成人のヒドロコルチゾン分泌量 (約20mg/日)と同等となっており¹⁾、 臨床上の投与量の目安とされている。 ただし、ヒドロコルチゾン分泌量について、 10mg/日程度とする文献もあり議論が分かれている²⁾³⁾。

【A】以下にそれぞれの薬剤の等量換算を記載する。
コルチゾン(商品名コートン)→ 25mg
= ヒドロコルチゾン(商品名コートリル) → 20mg
= プレドニゾロン(商品名プレドニン他) → 5mg
= トリアムシノロン(商品名レダコート) → 4mg
= メチルプレドニゾロン(商品名メドロール)→ 4mg
= デキサメタゾン(商品名デカドロン他) → 0.5~0.75mg
= ベタメタゾン(商品名リンデロン他) → 0.5~0.75mg


下表を参考に、プレドニゾロン換算での投与量で評価する。 <PSL換算表>

個人的には、蕁麻疹など短期間で一期的に投与してかゆみを伴うアレルギー症状を速やかに抑えたいときに処方します。花粉症~アレルギー性鼻炎に処方しても良いのですが、花粉のシーズンは春先とは限らず、通年性の方もそれなりにいらっしゃる中で、長期投与になるリスクもあるので、花粉症の第一選択薬としては使っていません。また抗ヒスタミン作用のために眠気も来しやすいです(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩という第一世代の抗ヒスタミン成分を2mg含んでます。昔はよく処方されていたように思うポララミン®の成分ですね)。逆に、この副作用である眠気を利用して、夜間に皮膚のかゆみが出る方に処方する場合もあります。

デキサメタゾン吉草酸エステル(ボアラ,ザルックス) 0.1% ハルシノニド ..

やはり、多くの患者さんが気にされるのは副作用ですね。
ステロイドの副作用は、服用量や服用期間によって異なります。
前項で臨床効果が期待されるのは糖質コルチコイド作用で、副作用が問題になるのは鉱質コルチコイド作用であるとお話ししました。
しかし、一方で糖質コルチコイド作用も高用量長期使用の際には糖、蛋白、脂質代謝への作用が副作用として現れる事があります。
次に、起こり得る副作用とその対策を紹介します。
一般的に言われている副作用発現時期をそれぞれ[]で記します。

持参薬からの切り替え時に換算ミスによる過誤を防ぐため規格を追加しまし

今回のような疑義照会を行う場合、単にステロイドの重複を伝えるだけではなく、異なるステロイドが含有されていた場合には、プレドニン換算などで力価を比較しやすいように伝えることが必要である。また、疑義照会を行う前に、代替薬の提案も検討しておく。

とトリアムシノロンが倍, デキサメタゾンが倍, ベタメタゾンが〜倍となっています。 この抗炎

患者の症状があまり改善していないことから、処方予定であったプレドニン錠を全て中止するのは適切ではないように思えた。そこで、医師には、セレスタミン配合錠にはリンデロン錠と同じ成分のステロイドが配合されており、プレドニゾロン換算では5~7.5mg相当になることを伝え、セレスタミン配合錠からステロイドを除いたポララミン錠での代替を提案した。すると、セレスタミン配合錠はポララミン錠2mgに変更されて、プレドニンは40mg/日のまま処方されることになった<処方3>。

つまりベタメタゾン・デキサメタゾン 1mg はおおよそプレドニゾロンの 25/4 ≒ 6mg に相当します.

【質問】高気圧酸素治療についてご教示ください。 高気圧酸素治療を受ける際、貼付剤や軟膏などの塗り薬は剥がしたり拭き取ったりした方が良いのか、そのままでも治療を受けて可能なのか、その考え方はMRIと同じ...

プレドニゾロン(プレドニン®)5mg, 18〜36時間, 5mg ..

●セレスタミン配合錠<ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩>
・蕁麻疹(慢性例を除く)、湿疹・皮膚炎群の急性期及び急性増悪期、薬疹、アレルギー性鼻炎
●プレドニン錠5mg<プレドニゾロン>
・内科・小児科領域、外科領域、整形外科領域、産婦人科領域、泌尿器科領域、皮膚科領域、眼科領域、耳鼻咽喉科領域における種々疾患
●ポララミン錠2mg<d-クロルフェニラミンマレイン酸塩>
・蕁麻疹、血管運動性浮腫、枯草熱、皮膚疾患に伴う瘙痒(湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症、薬疹)、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽

DIクイズ1:(A)妊娠時に経口ステロイドを変更する理由:日経DI

・消化性潰瘍[1、2ヶ月〜]
胃酸の分泌を亢進させ、消化器に潰瘍ができたり以前あった潰瘍が再発したりすることがあります。
暴飲暴食を避け、喫煙をしないことが大切です。

メチルプレドニゾロンとトリアムシノロンが5倍、デキサメタゾンが25倍、ベタメタゾンが25~ ..

湿疹に対して、前回セレスタミン配合錠<ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩>が処方されていたが、今回、更にプレドニン錠<プレドニゾロン>が追加され、ステロイドが重複していた。

デキサメタゾン, 20-30, 0, 0.75, 0.5-8, 3-4.5, 36-54

・副腎不全(ステロイド離脱症候群)
ステロイドホルモンは、1日にプレドニン換算で2.5〜5mg程度が副腎皮質から分泌されています。
しかし、それ以上の量を長期に使用した場合、本来分泌するはずのステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。
そのため、急に服用を中止すると体の中のステロイドホルモンが不足してしまい、倦怠感、吐き気、頭痛等の症状が見られることがありますので、自己中断しないことが大切です。
副腎不全になると内因性ホルモンであるヒドロコルチゾン(コートリル®️)を服用して体内のステロイドを補います。

[PDF] 膠原病疾患における副腎皮質ステロイド薬の最近の考え方

新型コロナウイルス感染症で「酸素が必要な中等症II」の患者はステロイド投与が必要になる場合も。今回、日本鋼管病院薬剤部と田中希宇人氏協力のもと作成したデキサメタゾン換算表と患者向けスライドを紹介。

[PDF] DIニュース2020年12月2号 当院採用の副腎皮質ステロイド注射薬一覧

「ステロイドには、副作用が多い!」という印象をお持ちの方も多いと思いますが、このような副作用のデメリットを差し引いたとしても、それ以上のメリットがあるのです。
ですから、現在でもステロイドが多く使用されているのです。
ステロイドは「両刃の剣」と例えられるように効果も副作用も強力なのですが、むやみにこわがる必要はありません。
当院ではステロイドをより安全に使うため、投与法の工夫や副作用対策として予防薬の投与などを行っています。
たくさんの難治性疾患に対する治療の切り札となってきたステロイドのメリットを最大限に発揮できるよう、薬剤師として患者さんに正しい情報を提供していきたいです。