与は避けること。 8.2 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6





生物学的半減期:下垂体抑制作用を指標

(診療薬のリスクマネジメント.松宮輝彦/監修,原 一恵/編,東京,診断と治療社,2009より引用)


長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。 ..

60%以上の患者で有意な食欲増加作用がありますが、効果はで2~6週間しか持続しません。

1カ月以上の投与になる場合、消化性潰瘍、血糖異常、ムーンフェイス、精神症状(不眠、せん妄、抑うつ)、カンジダ性口内炎、結核などのステロイドによる合併症を生じるリスクは上がるので、利益が不利益を上回ると評価される場合、選択できる方法と考えられます。

予測される予後が1~2か月と限られていて、長期使用による副作用を許容できるときはステロイドが選択肢となります。

*19) THS-101外用剤長期投与試験研究班:西日本皮膚科

2013年に、倦怠感を主要評価項目としたステロイドの比較試験の結果が発表されました。
進行がん患者84名に対して、デキサメタゾン8mgとプラセボを14日間内服する比較試験が行われ、デキサメタゾン群では15日目の倦怠感の尺度が有意に改善しました。

副腎ステロイドは選択できないが、蛋白同化ステロイドは選択できるとき、理論上はヒスロンという選択肢があります。日本では、ヒスロンHは保険適応が乳がん・子宮がんなど特殊なことと、致命的な血栓症の副作用がありますので、実際は一般的ではありません。

・電解質作用[強] ・副腎皮質不全での補充療養に[適] ・抗炎症療法,免疫抑制療法に[不適] (長期投与 ..

ステロイドが選択できない、精神症状のリスクが少ないときに選択されます。

★倦怠感や眠気が強い時(処方できる医師は限定されています。緩和ケアチームに依頼してください。)

リタリンが処方できない状態にあり、ベタナミンはその代替薬です。

リタリンは、倦怠感と、オピオイド投与中の患者の眠気を改善するある程度の根拠がありますが、「食欲亢進作用」はしめされていません。全身倦怠感がより優勢な病像の時には選択になりうる程度です。10%前後で過覚醒症状(不安、不眠、不穏)を生じます。若年者で全身状態が良ければ問題はないですが、高齢者、肝不全などではではリスク高くなります。動悸・不整脈リスクがあります。経験的には、「相性の良い人には良い、まずくすると不穏になる」薬剤です。

ベタナミンについて詳細なデータはありません。

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

(2)本剤の長期あるいは大量投与中の患者,又は投与中止後 6 ヵ月

現在のCOVID-19に対するステロイド療法は、大規模なランダム化比較試験であるRECOVERY試験の結果に基づいています(N Engl J Med. 2021 Feb 25;384(8):693-704.)。つまり、酸素を必要とするCOVID-19患者に、デキサメサゾン6mg/dayを7~10日間投与するというものです(酸素を必要としない患者へのステロイド投与は、予後を悪化させる可能性が示されています)。しかし、SARS-CoV-2による肺炎は、発症7~10日目に悪化しやすい特徴があります。そのため、発症早期に酸素化が悪化しステロイドを投与した例では、発症7~10日またはそれ以前に投与を終了すると再増悪することを経験します。したがって、ステロイドの投与期間は7~10日間と限定せずに、投与開始日と病態のピークを勘案しながら、長期投与および状況に応じて漸減することを検討する必要があります。一方で、発症7~10日目以降にステロイド投与を開始した場合は、短期間で終了することも考えられます。
ステロイドパルス療法の効果については、ステロイドを使用しない群を対照にしたランダム化比較試験は、小規模ながら報告があります(Eur Respir J. 2020 Dec 24;56(6):2002808.)。この研究では、酸素を必要とする患者にメチルプレドニゾロン125mgを3日間投与することで、非投与群に比較し有意に死亡率が低下しています。デキサメサゾン6mg/dayとステロイドパルス療法を直接比較した介入試験は、現在のところ報告されていません。コロンビアの一施設において、デキサメサゾン6mg/dayの7~10日間投与(111例)を行って時期と、メチルプレドニゾロン250-500mgを3日間投与した後に、デキサメサゾン6mg/dayを11日間投与する治療法(105例)に変更した時期を比較したヒストリカルコホート研究が報告されています(PLoS One. 2021;16(5):e0252057.)。後者の方が回復までの期間が短縮し、ICUへの移送が減少したことが示されています。ただし、この結果には治療法が変更になった以外にも、他の医療水準が改善したことが影響している可能性があります。
パルス療法ではありませんが、メチルプレドニゾロン2mg/kgを1回投与後1mg/kgで5日間投与する群(44例)と、デキサメサゾン6mg/dayの10日間投与する群(42例)を用いたランダム化比較試験では、前者の方で改善が早く、人工呼吸器への移行も少なかった(18.2% vs 38.1%, p=0.040)ことが示されています(BMC Infect Dis. 2021;21(1):337.)。メチルプレドニゾロン群で良好な結果が示された理由は、ステロイドの種類というより力価としてデキサメサゾン6mg/dayより高用量であることが影響しているように思われます。
RECOVERY試験で示されたデキサメサゾン6mg/dayでは、治療量として不足する患者が一定数存在する印象を持ちます。デキサメサゾン6mg/dayにて改善が乏しい場合、もしくは当初からでも、より重症、増悪速度が著しい、肥満がある場合等は、ステロイドパルス療法を検討する必要があると考えます。