CLD: chronic lung disease; 新⽣児慢性肺疾患
新生児慢性肺疾患(CLD)の予防や治療のために,ステロイドの全身投与や吸入療法が行われてきた。1990年代は,CLDに対してデキサメタゾンの全身投与が行われていたが,2002年に米国小児科学会より生後早期のステロイド使用に関する注意喚起があり,全身投与では副作用の少ないヒドロコルチゾンが,吸入ステロイドではフルチカゾンやブデソニドなどが使用されるようになった。
性肺疾患 (chronic Lung disease, CLD) の予防対
生後早期のデキサメタゾン療法は,学齢期における神経運動機能と認知機能にかなりの有害作用をもたらすため,慢性肺疾患に対する日常的な予防や治療に推奨すべきではない.
デキサメタゾン群の小児は,対照群の小児よりも身長が有意に低く(男子に対する P=0.03,女子に対する P=0.01,すべての小児に対する P=0.03),頭囲も有意に小さかった(P=0.04).デキサメタゾン群の小児は,運動技能(P<0.001),運動協調性(P<0.001),視覚と運動の統合(P=0.02)が対照群の小児よりも有意に劣っていた.また,デキサメタゾン群の小児では,対照群の小児に比べて全検査 IQ スコア(平均 [±SD] 78.2±15.0 対 84.4±12.6,P=0.008),言語性 IQ スコア(84.1±13.2 対 88.4±11.8,P=0.04),動作性 IQ スコア(76.5±14.6 対 84.5±12.7,P=0.001)が有意に低かった.臨床的に有意な障害に関しては,デキサメタゾン群の小児のほうが対照群よりも発生率が高かった.(72 例中 28 例 [39%] 対 74 例中 16 例 [22%],P=0.04).
高齢(およそ60歳以上)・糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍、喫煙による ..
未熟児に対する中用量のデキサメタゾンの早期投与は,死亡あるいは慢性肺疾患に対して何の効果も得られないばかりか,胃腸管の穿孔および発育遅延との関連が認められる.
デキサメタゾンの治療を受けた新生児の死亡または慢性肺疾患の相対危険度は,プラセボの投与を受けた新生児と比較して 0.9(95%信頼区間,0.8~1.1)であった.デキサメタゾンの治療の効果には換気療法の違いによる影響がみられなかったので,デキサメタゾンの 2 群とプラセボの 2 群をそれぞれ併合した.デキサメタゾン群の新生児は,プラセボ群の新生児と比較して,出生後 28 日目までに酸素投与( = 0.004)を受ける傾向や非盲検でのデキサメタゾン投与( = 0.01)を受ける傾向は低かったものの,高血圧症になる可能性が高く(<0.001),高血糖症のためにインスリン治療を受ける傾向も高かった( = 0.02).また,デキサメタゾン群では,デキサメタゾンの投与開始後 14 日目までに特発性の胃腸管穿孔が認められた新生児の割合も多かった(13%,これに対してプラセボ群では 4%; = 0.02).さらに,デキサメタゾンの治療を受けた新生児は,最終月経から 36 週目の時点において,体重が軽く( = 0.02),頭囲が小さかった( = 0.04).
未熟性の高さは,慢性肺疾患,気管支肺異形成症,またはその両方のリスク上昇と ..
出生体重が 501~1,000 g で,出生後 12 時間以内に機械的人工呼吸の治療を受けた 220 例の新生児を無作為に割り付け,デキサメタゾンまたはプラセボを投与するとともに,通常の換気支持療法または軽度の高炭酸ガス症を許した最低限の換気支持療法のいずれかを行った.デキサメタゾンの投与は生後 24 時間以内に開始し,投与量は最初の 3 日間は体重当り 1 日 0.15 mg/kg とし,その後 7 日間かけて漸減していった.主要転帰は,最終月経から 36 週目の時点までの死亡または慢性肺疾患の発症とした.
未熟児における慢性肺疾患のリスクは,高用量のデキサメタゾンの早期投与によって低下する可能性があるが,合併症を引き起すこともある.デキサメタゾンを中用量にした場合に同程度の有効性が保持され,安全性の向上を図れるか否かはわかっていない.
CLD:慢性肺疾患(chronic lung disease)。 CLD28:日齢 28 での酸素必要 ..
早産児の慢性肺疾患予防を目的とした生後早期のデキサメタゾン療法(生後 12 時間以内に開始)に関する二重盲検プラセボ対照試験に参加した小児を対象に,学齢期における転帰を検討した.
主要な結果:このレビューにより、生後6日以内から乳児にステロイドを全身に投与することの利点は、既知の副作用を上回らない可能性があることが明らかになった。しかし、ヒドロコルチゾンと呼ばれる特定のステロイドは、長期的な神経発達に悪影響を及ぼすことなく、短期的なアウトカムを改善することが期待されている。だが、長期的なアウトカムに関するデータは今のところ限られている。ステロイドを全身に投与することの利点として、人工呼吸器の使用期間の短縮と気管支肺異形成の発症率の低下があった。副作用としては、血圧上昇、胃や腸からの出血、腸の穿孔、血糖値の上昇、フォローアップ時の脳性麻痺のリスク上昇などがあり、特にステロイドの一種であるデキサメタゾンを投与された患者で顕著だった。気管支肺異形成の治療または予防のために、ステロイド、特にデキサメタゾンを早期に使用することは、追加の研究が行われるまで控えるべきである。
(1)内分泌疾患:慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体 ..
レビューの目的:気管支肺異形成(「慢性肺疾患」と呼ばれることもある)と呼ばれる肺障害を予防するために、生後1週間未満の早産児に投与される副腎皮質ステロイド(炎症を抑制するために投与される薬)による治療の相対的な有益性と有害性を明らかにする。