Ca拮抗薬とクラリスロマイシンの併用により急性腎障害リスクが上昇


抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。


[PDF] 腎機能低下時に最も注意の必要な薬剤投与量一覧 (2017改訂30版)

多くの抗菌薬は 「」 であり、 患者の腎機能が低下している場合には、 、 もしくは必要があります。

患者体重や腎機能から、 を確認できる人気ツール「」ではを引用しています。 これらのエビデンスをもとに、 HOKUTO編集部が投与上の注意事項を解説いたします。

腎障害:複数の信頼性の高い薬剤性腎障害に関する総説で、薬剤性腎障害の原因 ..

広く医療現場で使用されている抗生剤クラリスロマイシン。その影響による副作用を紹介します。
症例) 70代男性 慢性腎不全定期受診中。マニジピン、エナラプリル、ロサルタンカリウム、アロプリノールなどを服用。ピロリ除菌目的でクラリスロマイシンを1日800mgで開始。服用3日後から顔面の浮腫発生。除菌を中止し、フロセミド内服開始。3日間服用するもCre5→8台へ悪化。緊急透析施行となる。

クラリスロマイシンは代謝酵素CYP3A4を阻害します。そしてカルシウム拮抗剤はそのCYP3A4によって代謝されるため、クラリスロマイシンの服用によりマニジピン(カルシウム拮抗剤)の血中濃度が上昇し、腎臓の血流減少を引き起こし、急性腎障害となったと考えられます。
カナダでの後ろ向きコホート研究では、アムロジピンやニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬を服用していて、マクロライド系抗生剤のクラリスロマイシン(CAM)やアジスロマイシン(AZM)を処方された患者をピックアップし、腎障害や低血圧などの事象を比較検討しました(対象患者CAM9万6226件、AZM9万4083件)。その結果、腎障害での入院はAZM0.22%(208件)に対しCAM0.44%(420件)で相対リスク1.98倍、絶対リスクで0.22%と有意なリスク増加が見られました。低血圧による入院も、AZM0.07%に対してCAM0.12%と有意に多いという結果がでています。
カルシウム拮抗剤やクラリスロマイシンは、日常の医療現場で非常に広範囲にわたって使用されています。高齢者の使用には薬の選択に注意が必要です。特にニフェジピンは、他のカルシウム拮抗剤と比較して急性腎障害の発生リスクが5倍という結果が出ています。カルシウム拮抗剤(特にニフェジピン)服用の患者にマクロライド系抗生剤を投与する場合は、アジスロマイシンの使用を優先するか、他の系統の抗生剤を考慮する必要があるかもしれません。

腎障害がありCYP3A4阻害薬(アタザナビル、クラリスロマイシン、イン

【抗菌薬 Q&A】腎機能調整が必要な抗菌薬まとめ:肝代謝?腎代謝?