メラトニンが「がん」と結びついている証拠を示す研究結果を3つ紹介します。 1.メラトニンによるがんの抑制2.夜の明かりとがんとの関係3.


良質の睡眠をしっかりとる、できるだけ規則正しく眠る、これは美容のためだけでなく、癌の発生や増殖の抑制にとても大切な働きがあることを、今回はお伝えしました。高価なサプリメントを買うより、怪しい民間療法より、お手軽な癌予防ですね。睡眠とメラトニンには、酸化の防止作用も確認され、お肌をはじめとした脳までの全身、そして老化対策にも極めて有効と考えられているのですよ。では、おやすみなさい。


ガンに対抗する新しい免疫療法メラトニン: 熟眠・免疫力強化・ストレス解消・不老長寿 ..

副作用は殆どなく、午前中の眠気が時に生じますが、重篤な副作用は報告されていません。この分野をリードしているイタリアのピエールパオリ博士はメラトニンを0.1mgから200mgの高用量まで投与した研究を行っているが、重篤な副作用を認めていません。実験的にマウスにメラトニンを300mgで二年間投与しても、問題となる変化がなかったと報告しています。

メラトニンをとることで、高齢者の不眠症患者さんにおいて、睡眠潜時、睡眠効率や質のスコアを改善したことが報告されています(PMID: 9730580)。

性ホルモンの分泌を抑制すると言われています。このメラトニン分泌と関連して、性ホルモン関連がん(特に乳

1990年頃から2005年まで、がんに対するメラトニンの作用に関する論文がブームのように発表されました。ところが一旦ブームが去った後この数年でメラトニンの抗腫瘍効果について、免疫や遺伝子、あるいはサイトカインレベルでの発表が相次ぎました。その作用と特徴をまとめると次のようになります。

さて、朝のひかりを目が感じ、夜に脳から睡眠物質が出て、脳に眠れと指令される、と聞いたことはありませんか?朝のひかり、直射日光ではなく、木々や草花、建物や道路に反射するひかり、曇り空の明かりでも良いのです。目の奥の網膜という部分に刺激が伝わり、脳の一部にある松果体というトコロに連絡されます。ここでメラトニンというホルモンが作られますが、これもわれわれを眠らせる作用を持っています。この物質は規則正しい睡眠にはとても大切な物質で、朝の屋外で浴びた光により、12~14時間後にたくさん出るとわかっているのです。皆さんも聞いたことのある体内時計、生物時計にも重要な物質ですね。人工的に作られて睡眠導入剤の一つ(日本はこどもの特別な病気などに保険適応)にもなっています。体内時計を狂わせると、糖尿病や高血圧、肥満の危険が高まり、乳癌と前立腺癌の発症リスクが高まると、米国から発表されています。メラトニンは性ホルモンの分泌を抑える働きも認められているので、しっかり眠っている間にたくさん分泌されるメラトニンは、乳癌や前立腺癌の危険を下げるという作用なのです。逆に夜勤者や交代勤務者は、この癌のリスクは高まっています。当院のスタッフを怖がらせるつもりはありませんが、本当らしいのです。また不眠や良好な睡眠ができない場合、免疫力が低下してあらゆる癌の発生リスクが上がることが報告されていますし、また、発生した癌の増殖力が高まることもわかっています。不眠によりストレスホルモンの一つであるコルチゾールという物質がたくさん出て、高血圧や糖尿病の悪化、免疫力の低下と発癌や癌増殖に作用することも指摘されているのです。

メラトニンは加齢黄斑変性の発症・進行を予防 | 北海道札幌駅徒歩3分

メラトニンの一般的な使用目的は不眠症、時差ぼけ、アンチエイジングが最も一般的で、その他にもがん予防、認知症予防、免疫力の増強でも使用されます。最近では加齢に伴う目の黄斑変性の改善が報告されています。

特に2015年から三年間はメラトニン受容体と腫瘍細胞に関する新しい知見が多く発表されました。メラトニンは前立腺がん細胞内へのグルコースの取り込みを抑制することで、腫瘍細胞増殖を抑えることが報告されました。さらに、結腸がんではエンドセリン-1が細胞増殖やアポトーシスの抑制に関わっているが、メラトニンはエンドセリン-1の発現を抑制することがわかりました。肺がん細胞でも増殖、浸潤、転移を抑制する可能性が明らかになりました。

メラトニン|梅華会グループ 耳鼻咽喉科・小児科|西宮・芦屋・尼崎

米国では、メラトニンをサプリメントとしてサプリメントショップやスーパーマーケットで自由に購入ができます。通常使用量は1mg〜3mgで、カプセル剤、錠剤、舌下錠、最近では二重カプセルによる作用時間を長くする製剤もあります。残念ながら日本では医薬品としての扱いになり、医師の個人輸入による患者への処方、もしくは患者自身の個人輸入に使用が限られます。

ただし、残念なことに、加齢ととともにメラトニンの生成量は低下してしまうため(下図)、眠りの質や、がんの抑制、免疫力の低下などにも影響してくるというわけです。


メラトニンの抗酸化作用 | ブログ | 医療法人おざさクリニック

アメリカではこんなにポピュラーで身近な存在なのに日本ではあまり浸透していないなんて、すごくもったいないと思います。今回の記事を通して、少しでもメラトニンに興味を持っていただければ幸いです。



※本記事は『統合医療でがんに克つVOL.135(2019年9月号)』にて掲載された『リオルダンクリニック通信4』を許可を得た上で一部調整したものです。

メラトニンの量が少ないと、血圧や酸化ストレスが上昇し、心血管疾患のリスクが高まることが分かっている。

いかがでしたでしょうか。今まさにがんと闘っている患者さん、がん予防目的の方、睡眠に関する問題がある方、アンチエイジング目的の方、さらには旅行中の時差ボケ解消にもメラトニンは絶大な効果を発揮してくれるはずです。

メラトニンは、「トリプトファン(アミノ酸の一種)」から作られる ..

メラトニンは抗アロマターゼ作用や抗エストロゲン作用により乳がんの予防に、そしてその抗酸化作用は化学療法と放射線療法の副作用を減らす理想的なホルモンであることもわかりました。

睡眠ホルモンが前立腺がんのリスクを75%減らす 生活習慣が影響

メラトニンには性ホルモンの抑制効果があるため乳がんや前立腺がんといったホルモン系のがんに効果的ですが、以上のような機序によりホルモン系以外のがんにも効果が期待できます。

研究成果の概要(和文):メラトニンの各種癌細胞に対する増殖抑制効果が報告されているとともにわれわれは

また、メラトニンの細胞内への取り込みは通常であれば膜受容体で媒介されますが、近年グルコーストランスポーターがメラトニンの細胞内への取り込みにおいて中心的な役割を果たしていることが明らかになっています。糖質などのグルコースはがんの進行を促進しますが、メラトニンはこのトランスポーターを介してグルコースと競合し、グルコースの細胞内への取り込みを阻害します。

メラトニンの分泌量が減少することがわかっている。 午前0時までに寝る: 寝る1 ..

非小細胞性肺がんの化学療法にメラトニン20mgを併用すると、腫瘍の縮小率と5年生存率は明らかに高くなることが報告されています。また、別の研究では、進行性非小細胞性肺がんの化学療法にメラトニン20mgを併用すると、化学療法の副作用が減弱、骨髄抑制や神経障害、悪液質も明らかにメラトニン併用で出現頻度が低くなりました。転移性大腸がん患者ではメラトニンを併用することで、イリノテカンを低用量にしても通常量と同等の効果が得られることが明らかになっています。

夜中の3~4時は、深部体温が最も低くなるが、がん細胞は体温が下がると活発に増殖する。

<図3>


このように単独でも抗がん・抗転移効果があるメラトニンですが、化学療法や放射線治療との併用によってこれらの副作用を減らしたり治療効果を高める可能性があります。例えば、シスプラチンによる急性腎症や乳がんに対する放射線誘発皮膚炎を抑えます。そしてラットの研究ではありますが、メラトニン投与群はER陽性乳がんに対するアドリアマイシンの感受性が高まり、QOLの改善もみられました。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

米国カンザス州ウイチタ市で開催された第6回リオルダンIVC国際シンポジウムにて、フランク・シャレンバーガー医師の「抗がん補助療法としてのメラトニン大量療法」の講演に注目されました。シャレンバーガー医師はアメリカオゾン療法学会の会長でもあります。学会の出席者はビタミンC点滴療法の効果を高めるための補助療法を正に模索していたのです。そこに一筋の光明が見えたのです。

ヒトでの臨床効果が認められており、特に化学療法との併用で、腫瘍寛解率を上昇させ、副作用の軽減も認められている。

ただ、色々な研究によって、眠気だけではなく、老化に関わることもわかってきており、主なものについてお話していきます。

[PDF] QOL がん患者さんに起こりやすい睡眠障害(不眠)

『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。

睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|ドクターコラム

これによるとメラトニンの投与により、がんの種類やメラトニンの投与量に関係なく1年後の相対死亡率をなんと34%も減少させることができたとの報告がされています。しかも重篤な副作用はありませんでした。<図2>

[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]

メラトニンの様々な種類のがんに対する作用については多くの論文で証明されていますが、メラトニン単独または化学療法や放射線療法などの補助療法としての効果を調べた10件のランダム比較試験のメタアナリシスをご紹介します。

メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった ..

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。

:甲状腺がん 夜間の人工光への曝露と甲状腺がんのリスク増大を関連付ける研究 [24 Feb 2021] ..

がん治療においても、例えば外科手術は免疫抑制を誘導するため、術後の腫瘍に対する免疫機能が低下し治療に悪影響を及ぼす可能性があります。ところが、メラトニンは急性炎症反応を抑えながら腫瘍に対する免疫反応に寄与し、免疫抑制を阻害すると考えられています。具体的には、下記のような報告がされています。