光をうまく活用することも、良い睡眠をとるコツです。 明るさ(照度)は、一般家庭 ..


人は眠くなるときに、メラトニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。メラトニンの量が増えると眠気を覚え、少なくなると覚醒します。メラトニンには、暗いと分泌され、明るくなると少なくなる特徴があります。つまり、寝室が明るいとメラトニンの分泌に影響するのです。


夜に長時間にわたって光を浴びていると睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されることがわかってきました。 ..

詳しい情報をご覧になりたい方は以下の総説記事などもご参照ください。
樋口重和, 李相逸 (2015) 光のサーカディアンリズムとメラトニン分泌への作用の個人差. 照明学会誌 99(1), 22-24()
樋口重和 (2011) 光の非視覚作用-光環境への適応-. 日本生理人類学会誌15(1), 21-26 ()

明るさも大切ではありますが、なにより自分が安らげる空間づくりをするのがいちばんです。もし、部屋の明るさは保ったまま、身体の健康を考えて少しでも暗い中で睡眠をとりたい場合は、目に入る光だけをシャットダウンするアイマスクを活用すると良いでしょう。

[PDF] 照明によるメラトニン分泌抑制効果を低減するフィルタ

そのため、寝室の照明が明るすぎる場合は、照度を落とすようにしましょう。また、朝にはカーテンを開けて少しの間でも日の光を浴びるようにします。部屋の方角によって朝日を浴びにくい場合もあるかもしれませんが、可能であれば朝に強い光を浴びることが好ましいです。

睡眠時に部屋に灯りを取り入れたいという場合は、以下に解説するポイントを押さえてライティングを考えてみてください。いろいろな照明を試して、心地良い寝室が出来上がれば、心身共に健康ですっきりとした日々が送れるようになるはずです。

明るい環境になると、メラトニン分泌は低下します。 出典:Melatonin – heathdirect

エジソンによって白熱灯が発明され、その後に蛍光灯が急速に普及し、近い将来にはLEDや有機ELなどの新しい照明に取って代わることでしょう。技術開発が進む一方で、ヒトへの影響についてはまだ知られていないことがたくさんあります。基礎的な研究を通して光と概日時計の関係を明らかにし、それらの成果を健康的なライフスタイルや光環境のデザインに役立てたいと思っています。

光源とは光を発するもの全般を指します。部屋の照明器具はもちろん、窓の外に何かしらの光源がある場合も、寝るときに視界に入らないようにすると良いです。眼を閉じていてうっすら感じる程度の光でも、脳は敏感にキャッチします。気になるときは、ベッドの位置を調整したり、アイマスクを使用したりしてみましょう。

メラトニンの分泌は夜の暗さだけでなく、日中の明るさにも影響されます。 ..

人には、体内時計があります。ただ、体内時計は24時間ではなく25時間で1周といわれています。1日が24時間ですから、1時間の差があります。この1時間のズレを調節してくれるのが強めの光です。朝に強い光を浴びない、夜に明るい場所にいる…ということが続くと、1日の周期と自分の体内リズムにどんどんズレが生じてしまい、睡眠がうまくとれなくなってしまいます。

部屋を真っ暗にせず、ライトスタンドのように移動できるタイプの照明を使う場合は、ベッドや布団で横になったときに光が目に入らない位置に設置します。足元に置く、インテリアで光の拡散を調整するといた方法がおすすめです。


照度が上昇するにつれて位相変化量とメラトニン分泌抑制は共に増大する

人工衛星から撮影された夜の地球の写真をつなぎ合わせると、光によって世界地図が浮かび上がってきます。夜の光は私たちが安心して生活を送るためには欠かせません。しかし、最近の研究で、明るい夜がヒトの概日時計や睡眠に悪影響を及ぼしていることが指摘されています。私たちの研究室では、健康で人間に優しい光環境をデザインするために、光がヒトの生体に及ぼす影響を明らかにしています。

トトノエライトの明るさは最大20,000ルクスほどあり、これは朝日と同等の明るさです。

概日時計とは体内時計の一種で、その中枢は脳の視床下部に存在し、約1日の周期で時間を刻んでいます。この概日時計は、地球の自転に伴って生じる明暗サイクルに体を同調させる役割もあります。目から入った光は明るさや色の知覚とは異なる経路(図左の点線)で脳の概日時計に伝わります。私たちの研究では夜にだけ分泌されるメラトニンと呼ばれるホルモンが、光によって抑制されるという特徴を使って、光の影響を調べています(図右)。

(注5)金圭子、内山真、大川匡子:不眠治療法のトピック-メラトニン、ビタミンB12と高照度光療法-.

※参考:遠藤照明納入事例
食堂や居間といった共用部に日中、色温度の高い光を照射。夕刻以降は色温度を下げ、光により入居者の生活リズムを整えることで、認知機能障害(昼夜逆転)や感情・行動の改善に繋がる試みを実施。
※その他福祉施設の事例は

[PDF] 睡眠前の照明環境が睡眠時の体温とエネルギー代謝に影響を及ぼす

電子機器の光が睡眠に及ぼす影響については、画面の明るさだけではなく、画面の大きさや目からの距離が関係してくることもあり、はっきりした結論は出ていません。最近は、光よりも、ゲームなどの行為による覚醒の影響が強いのではないかと考えられています7)

明るいとホルモンの分泌が抑えられて健康に影響が出ることもありえる

夜の光の影響は誰でも同じでしょうか?大人と子どもで夜の光の影響をメラトニンで調べてみました。驚いたことに子どもは大人の2倍も光の影響を受けていることがわかりました。コンビニくらいの明るさの光で実験をしてみたら、子どもはほぼ完全にメラトニンの分泌が抑えられていました。最近では、の中で、人工照明の影響を調べるために、あえて人工照明の無い中でキャンプ生活を送る子どもたちの概日時計について調べています。

明るい寝室で眠ると太りやすい⁉光と健康の関係 | サワイ健康推進課

「」30泊31日が行われているキャンプ場。人工照明の少ない自然の中で生活した時の子どもたちの睡眠や概日時計を調べている。

メラトニンが減るのを防ぐことができます。 手軽にできる方法は、入浴中の ..

夜間に強い光を浴びると睡眠に重要なメラトニンの分泌が抑制されてしまう。そのため就寝時刻の3時間前からは照度10lx以下、就寝してからはできるだけ暗い1lx以下が推奨されている(昼光6500Kの場合。参考論文2)。

メラトニン分泌の抑制は、波長が480nm付近の青色の光の影響を強く受けるため、色温度が高いほど抑制されやすい。その影響を調べるため、目の位置での鉛直面照度100lxで1800Kと5000Kの光を19時から22時30分まで浴びた。結果は、5000Kのほうが唾液中のメラトニンの分泌開始時刻が60分遅くなり、メラトニンの分泌量が約25%低下していた(※2)。

夕方以降は徐々に色温度と照度を下げ、自然と眠りにつきやすくなるようにしたい。

睡眠中の明かりが近視を誘発 | ひきち眼科 | 北海道札幌駅徒歩3分

本記事では、寝室の電気は消したほうが良いのか、睡眠と光の関係についてご紹介します。加えて、寝室の照明の設置ポイントや寝る前のおすすめ習慣など、快眠のためのポイントも解説しています。寝つきが悪いのは寝室の灯りのせいかも?と思われている方は、ぜひ参考にしてください。

セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。 ..

夜勤や交代制勤務は体のリズムや睡眠を乱します。夜に働くには欠かせない光ですが、皮肉なことにその光が健康のリスクを高めているのです。私たちの研究室では、夜勤者を光の悪影響から守るためのアイデアを考え、その効果を科学的に検証しています。最近では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究で、24時間体制で働く管制室の照明についての研究も行っています。

生活空間の光環境を大まかに照度と相関色温度の 2 軸で生活適合性を昼夜で評価

良い眠りのためには、良い起床を促す照明も欠かせない。睡眠の後半は目覚めに向けて脳が覚醒していく状態にあり、特に起床前の30分で徐々に部屋を明るくしていくことでスムーズに起きられる。外光を採り込むと、季節によって日の出のタイミングが異なるため、照明器具の調光機能を使う方がいい。起床後は先述のとおり、2000lx以上の光を30分程度浴びることで脳が完全に目覚めていく。眠るときだけでなく、生活のリズムを生み出していく照明が、質の良い睡眠をつくっていくと安達さんは話す。

「日中に運動をすると身体が疲れてぐっすり眠れるように、脳も日中にきちんと覚醒させてあげることで、より深く眠れるようになります。また年齢によっても光の感じ方が異なります。子どもは大人に比べて光を強く感じる一方、高齢になるほど、光を感じる機能が低下します。そのため、高齢者は日中に若い人と同じ明るさの中で生活していても、脳が十分に覚醒せず、その影響で夜の眠りが浅くなり、短時間で起きてしまうということにつながります」

安達さんが語る年齢に応じた光の感じ方を取り入れる手法は、(※)においても既に実施されている。

ここでは、より幅広い色温度をコントロールできるを用いており、日中の食堂や居間といった共用部に、外光のような色温度の高い光を照射し、利用者の身体のリズムのコントロールを試みている。

「眠りのリズムは1日を通してつくられていくものです。朝昼夜という時間の流れ、仕事やプライベートといったシーンに応じたメリハリのある照明計画によって、脳のオンとオフを切り替えながら、心地良い眠りにつける光の環境をつくっていっていただきたいです」

が、ある一定の照度に達すると反応は一定となる。 Zeitzer JM et al (2000) J Physiol

寝るときの寝室は真っ暗にしたほうが良いとはいわれています。しかし、暗闇に不安や恐怖を抱く方が無理に真っ暗にしても、ストレスになって良い睡眠はとれません。眠るときというのは、人間がいちばん無防備になる時間でもあります。そのため、部屋の明暗よりも、安心して過ごせる環境かどうかのほうが大切です。

が、実は眠りを司るホルモンにメラトニンがあります。それは目から入る光に反応します。例えば夜の就寝前は、メラトニン ..

ですが、灯りをつけているとどうしてもよく眠れない、スッキリ起きられないという場合は、寝室のライティングが合っていない可能性があります。また、照明の他にも、寝具に要因があるかもしれません。

分泌を促すようにしましょう。 みはし・みほ 快眠セラピスト・睡眠

人間の網膜は、光が当たる領域によってメラトニンの分泌に違いが出る。同じ照度の光を網膜の上、下それぞれから照射したときのメラトニンの分泌の変化を調査した結果によると、高い位置から光を当てたほうが、低い位置に比べて、メラトニンの分泌量が少なかった(参考論文1)。このことから、睡眠を妨げない光環境をつくるには、目線より低い位置を照らしたほうがよいといえる。

寝室などのフットライトは夜間に浴びる光を抑えるのに有効だ。逆に朝に光を浴びる場合は目線よりも高い位置(天井面からの照射など)を明るくすれば、効率的に光を浴びて体内リズムをリセットすることができると考えられる。

◯オフィス勤務よりも在宅勤務の方が昼間に浴びている光が弱く(照度が低く)、

照明の色には、オレンジっぽい色の電球色、ブルーがかった昼光色、白っぽい昼白色の3つがあります。寝室におすすめなのが、電球色です。暖色の光はまぶし過ぎず、かつ寝つきを良くしてくれる色だといわれています。焚き火の映像を見ていると、音や光に癒されるという話がありますが、木が燃える音や炎の揺らぎだけでなく、赤やオレンジといった暖色がリラックスさせてくれているとも考えられています。