Hsa04080, 神経刺激性リガンドとレセプターの相互作用 ; 代謝
以前よりわが国では,経口抗がん薬のうちフッ化ピリミジン薬の使用頻度が高く,大腸がんにおけるUFT/ロイコボリン,カペシタビン,胃がんにおけるS-1,肺がんにおけるUFT は比較試験により術後補助薬物療法の有効性が示されている。また,切除不能再発胃がんや大腸がんに対しても,S-1 やカペシタビン,UFT/ロイコボリン,大腸がんにおけるTAS102(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)は,ガイドラインで推奨されている治療の一つである。これらの経口抗がん薬は単回での催吐性リスクは少ないが,連日内服による消化器症状がある。
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンとして強力な抗炎症作用を有し、副作用の少ないコルチコ
近年,経口投与の抗がん薬が増えてきており,殺細胞性抗がん薬だけでなく,多数の分子標的薬も臨床導入されている。
軽度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,制吐薬3 種類(5-HT3受容体拮抗薬,デキサメタゾン,ドパミン受容体拮抗薬)を単剤で使用することが勧められているが,最小度リスクに対する制吐薬の予防的使用は推奨されていない。一方,NCCN ガイドライン2017 では,軽度・最小度リスクの経口抗がん薬を含めて,悪心・嘔吐が生じた際にメトクロプラミド,プロクロルペラジン,5-HT3受容体拮抗薬などの連日投与(必要に応じてオランザピンやロラゼパムを併用)が推奨されている。しかし,経口抗がん薬に対する制吐薬の比較試験がないため,これらの推奨される制吐療法の信頼度は低い。ただし,これらの経口抗がん薬の有効性のエビデンスを示した比較試験のプロトコールをみると,Grade 2 の悪心・嘔吐が発現した場合にはおおむね支持療法を行うかまたは休薬し,支持療法によってコントロールできない場合には,投与量を一段階減量する,さらにGrade 3 の悪心・嘔吐が発現した場合は,投与量を一段階減量することが一般的である。したがって,がん薬物療法のエビデンスを示した臨床試験のプロトコールを参考に,日常臨床で使用されている薬剤を使用するほか,食事の工夫,カウンセリングなどの支持療法を実施し,コントロール不良の際は休薬し,抗がん薬を一段階減量して再開するという原則を守り,Grade 3 以上の悪心・嘔吐を発現させず,Grade 2の悪心・嘔吐が継続しないように内服を継続することが求められる。
作用を現すと考えられる 3)。 (2) 薬効を裏付ける試験成績
【11. 副作用-11.1 重大な副作用】(新設)
【新記載要領】
腫瘍崩壊症候群
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
【旧記載要領】
大項目:副作用
小項目:重大な副作用
改訂区分:新設
腫瘍崩壊症候群:
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
また,高度・中等度リスクの経口抗がん薬に対して,MASCC/ESMO ガイドライン2016 では,5-HT3受容体拮抗薬,副腎皮質ステロイドの2 剤併用が推奨されている。NCCN ガイドライン2017 では,5-HT3受容体拮抗薬の経口連日投与が推奨されているが,シクロホスファミド,エトポシド,テモゾロミドでは,日常臨床において治療目的や放射線治療併用のために副腎皮質ステロイドが併用されていることが多い。
Protein (BCRP) の阻害作用などを有するため、薬物間相互作用に注意する。 ..
12) 正岡徹,他.造血器腫瘍性疾患におけるMCNU の臨床第Ⅱ 相試験.Chemotherapy.1985; 33: 271-8.
抗がん薬投与後,24 時間以内に出現する急性嘔吐は,抗がん薬の治療アドヒアランスを妨げる最も大きな要因の一つであり,その予防制吐効果の成否は遅発性嘔吐の治療効果にも影響を及ぼす。したがって,特に催吐性リスクが高度および中等度の抗がん薬投与に際しては,急性嘔吐を未然に防ぎ,さらに遅発性嘔吐の治療反応性を良好に保つためにも,積極的な制吐薬の投与を行う必要がある。以下に急性嘔吐の予防を目的として,抗がん薬投与前に行うべき対処を催吐性リスク別に概説する。
相互作用‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
【2.禁忌】(一部改訂)
【新様式】
次の薬剤を使用中の患者:ジスルフィラム、シアナミド、デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン、リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム
【旧様式】
大項目:禁忌
改訂区分:一部改訂
次の薬剤を使用中の患者:ジスルフィラム、シアナミド、デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)、リルピビリン、リルピビリン塩酸塩・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩・エムトリシタビン、リルピビリン塩酸塩・ドルテグラビルナトリウム
【11.1重大な副作用】(追記)
【新様式】
腫瘍崩壊症候群:
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
【旧様式】
大項目:重大な副作用
改訂区分:追記
腫瘍崩壊症候群:
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
Table: チトクロムP450酵素系と相互作用を起こす一般的な物質
1). 慢性副腎皮質機能不全(原発性慢性副腎皮質機能不全、続発性慢性副腎皮質機能不全、下垂体性慢性副腎皮質機能不全、医原性慢性副腎皮質機能不全)、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症[甲状腺<中毒性>クリーゼ]、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、ACTH単独欠損症、下垂体抑制試験。
2). 関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛。
3). エリテマトーデス(全身性エリテマトーデス及び慢性円板状エリテマトーデス)、全身性血管炎(高安動脈炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮症。
4). ネフローゼ及びネフローゼ症候群。
5). うっ血性心不全。
6). 気管支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)、薬剤アレルギー・薬剤中毒、その他の化学物質アレルギー・化学物質中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病。
7). 重症感染症(化学療法と併用する)。
8). 溶血性貧血(免疫性溶血性貧血又は免疫性機序の疑われるもの)、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血。
9). 限局性腸炎、潰瘍性大腸炎。
10). 重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)。
11). 劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む)、胆汁うっ滞型急性肝炎、慢性肝炎<難治性>(活動型慢性肝炎<難治性>、急性再燃型慢性肝炎<難治性>、胆汁うっ滞型慢性肝炎<難治性>、但し、一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続するものに限る)、肝硬変(活動型肝硬変、難治性腹水を伴う肝硬変、胆汁うっ滞を伴う肝硬変)。
12). サルコイドーシス<両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く>、びまん性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)。
13). 肺結核(粟粒結核、重症肺結核に限る)(抗結核剤と併用する)、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性心のう炎(抗結核剤と併用する)。
14). 脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む)(但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状がみられ、かつ他剤で効果が不十分なときに短期間用いること)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、筋強直症、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎。
15). 悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患)、好酸性肉芽腫、乳癌の再発転移。
16). 特発性低血糖症。
17). 原因不明の発熱。
18). 副腎摘除、臓器移植・組織移植、侵襲後肺水腫、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲。
19). 蛇毒・昆虫毒(重症の虫さされを含む)。
20). 強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)。
21). 卵管整形術後の癒着防止。
22). 前立腺癌(他の療法が無効な場合)、陰茎硬結。
23). *湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部湿疹あるいは肛門湿疹、耳介湿疹・皮膚炎及び外耳道湿疹・皮膚炎、鼻前庭湿疹・皮膚炎及び鼻翼周辺湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しないこと)、*痒疹群<重症例に限る>(小児ストロフルス<重症例に限る>、蕁麻疹様苔癬<重症例に限る>、固定蕁麻疹<重症例に限る>(局注が望ましい)を含む)、蕁麻疹<慢性例を除く重症例に限る>、*乾癬及び類症[尋常性乾癬<重症例>、乾癬性関節炎、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群]、*掌蹠膿疱症<重症例に限る>、*扁平苔癬<重症例に限る>、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(*多形滲出性紅斑<重症例に限る>、結節性紅斑)、IgA血管炎<重症例に限る>、ウェーバークリスチャン病、粘膜皮膚眼症候群[開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病<眼症状のない場合>、リップシュッツ急性陰門潰瘍]、レイノー病、*円形脱毛症(悪性型円形脱毛症に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、先天性表皮水疱症、帯状疱疹<重症例に限る>、*紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、顔面播種状粟粒性狼瘡<重症例に限る>、アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)、潰瘍性慢性膿皮症、新生児スクレレーマ。
24). 内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺の対症療法)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不十分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎の対症療法)、眼科領域の術後炎症。
25). 急性中耳炎・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメニエル症候群、急性感音性難聴、血管運動<神経>性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎・喉頭浮腫、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法。
26). 難治性口内炎及び難治性舌炎(局所療法で治癒しないもの)。
27). 嗅覚障害、急性唾液腺炎・慢性<反復性>唾液腺炎。
*:外用剤を用いても効果が不十分な場合あるいは十分な効果を期待し得ないと推定される場合にのみ用いること。
(効能又は効果に関連する注意)
〈下垂体抑制試験〉デキサメタゾン抑制試験の実施に先立ち褐色細胞腫又はパラガングリオーマの合併の有無を確認すること。デキサメタゾン抑制試験で褐色細胞腫又はパラガングリオーマの合併がある場合には、褐色細胞腫又はパラガングリオーマの治療を優先すること〔8.5、9.1.10参照〕。
皮膚組織内に入ったデキサメタゾンの副腎皮質ホルモン様作用による抗炎症作
2) 渡部智貴,半田智子,加藤裕久.日本国内の臨床試験に基づく抗がん剤の催吐性リスク分類.癌と化療.2015; 42: 335-41.
デキサメタゾンエリキシル0.01%「日新」の効果・効能・副作用
NCCN ガイドライン 2015 では,アプレピタントの代わりに多受容体作用抗精神病薬(MARTA)であるオランザピンをパロノセトロンとデキサメタゾンと3 剤併用で用いるオプションが示された。さらに同2017では,新たにアプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加えるレジメンも提示された。これらは,シスプラチンとAC療法を含む高度リスク抗がん薬投与に際し,オランザピンが,パロノセトロンとデキサメタゾン併用下においてアプレピタントと同等であることが示された第Ⅲ相ランダム化比較試験や,アプレピタント(またはホスアプレピタント),パロノセトロン,デキサメタゾンの3剤併用にオランザピンを加える有用性が示された第III相ランダム化比較試験の結果を受けている。ASCO ガイドライン2017 でもオランザピンを加えた4剤併用が推奨療法として追加された。オランザピンはわが国でも複数の臨床試験が行われた。オランザピンは公知申請により2017 年6 月から,他の制吐薬との併用において成人では5㎎ を1 日1 回経口投与(患者状態により最大1日10㎎ まで増量可能),最大6 日間を目安として先発品と一部の後発品で保険下にて使用が可能となった。本邦における推奨用量,使用方法については未だ検証段階であるため,適切な患者に慎重に投与することが望まれる。慎重投与すべき患者としては,糖尿病患者ならびに高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者であり,使用に際しては副作用の傾眠や血糖上昇に十分注意する。高齢者への投与も慎重に行うべきである。作用点が重複するドパミンD2 受容体拮抗薬ドンペリドン,メトクロプラミド,ハロペリドール,リスペリドンなどとの併用は勧められず,また,睡眠薬との併用には注意を要する。投与量に関してはランダム化第Ⅱ 相試験ではあるが,高度リスク抗がん薬投与に対し3剤併用に加えたオランザピン5 ㎎ と10 ㎎では遅発期の悪心・嘔吐の制御において同等であったとの報告もある。
薬物相互作用検索ツール | ゾコーバ | 塩野義製薬 医療関係者向け情報
現在, 抗がん薬の副作用である悪心・嘔吐の評価方法としては, CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Event) v4.0-JCOG が用いられているが,これは制吐療法の評価方法ではない(→)。従来のわが国の制吐療法における臨床試験では,悪心・嘔吐が「ない」,「我慢できる」から,「ほとんど食べられない」といったチェック項目を患者に提示して個々の治療効果を示してもらうなどの方法がとられていた。最近の臨床試験では,がん薬物療法施行後0~120 時間の完全制御割合,0~24 時間の完全制御割合(急性),24~120 時間の完全制御割合(遅発性)などが評価項目として用いられている()。しかし,医療者は過小評価の傾向が指摘されており,悪心・嘔吐の予測がどの程度できているかの評価も重要である。また, 患者自身による主観評価にあたる Patient-Reported Outcome (PRO) の重要性も認識されてきており, がん臨床試験における患者の自己評価に基づき, 有害事象評価の正確性と高い精度のグレーディングを追及したツールとしてPRO-CTCAEが公開されてきており(), 日常診療として客観的評価とどのようにして関連づけて評価していくか等に関する検討が必要になるであろう。
内服中の薬剤との薬物相互作用、(8)流行している変異体(variant ..
基本的に5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン6.6~9.9 mg を静注(8~12 mg を経口)の2 剤併用とするが,一部の抗がん薬(カルボプラチン,イホスファミド,イリノテカン,メトトレキサート等)を投与する場合にはアプレピタント125 mg 経口投与もしくはホスアプレピタント150 mg 静脈内投与の併用が推奨され,その際にはデキサメタゾンを減量(静注: 3.3~4.95 mg,経口: 4~6 mg)する(→参照)。また,わが国では400 例を超えるオキサリプラチン投与患者に対する第III相ランダム化比較試験が行われ,5-HT3受容体拮抗薬とデキサメタゾン併用下において,アプレピタント/ホスアプレピタント群がコントロール群より全治療期間,特に遅発期の悪心・嘔吐の制御に優れることが示された。
ステロイド・免疫抑制剤 相互作用 · 1 ステロイド · 2 免疫抑制剤
一度、重度の嘔吐を経験してしまうと、抗癌剤レジメン治療変更後も嘔吐性事象で苦しむケースが散見されるため、嘔吐が発症する前 (抗癌剤投与前) より、しっかり制吐剤を使用していくことが重要である。
悪心に対しては、CINV (chemotherapy-induced nausea and vomiting) であるのか、消化管粘膜障害であるのかの見極めが重要になる。後者の可能性が高ければ、プロトンポンプ阻害薬、H2ブロッカー等の制酸薬の効果が、制吐剤よりも期待できることがある。
また、味覚障害、嗅覚障害が食欲不振につながるケースもみられるが、ここでは栄養士による栄養指導が効果的な場合もある。ケースに応じて様々な職種による患者サポートを行うことが非常に効果的であり、推奨される。