レクサプロは、うつ病・うつ状態、社会不安障害に保険適応されているお薬です。 3.レクサプロの作用メカニズム


厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は10月30日、「レクサプロ錠」(一般名=エスシタロプラムシュウ酸塩、持田製薬)に、社交的な場面で不安や恐怖を過大に感じる「社会不安障害」の効能・効果を追加することを了承した。近く承認される見通し。
第一部会では、水疱性類天疱瘡の治療薬としては国内初となる「献血グロベニン-Ⅰ静注用」(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、日本製薬)の承認も了承。現在、ステロイド剤で効果不十分な水疱性類天疱瘡患者に対する治療において、保険適用されている治療法は血漿交換療法のみであり、同部会は「新たな治療選択肢になり得る」としている。
また、29日に開かれた医薬品第二部会では、「ゼローダ錠」(カペシタビン、中外製薬)および「エルプラット点滴静注液」(オキサリプラチン、ヤクルト本社)に、胃癌の効能・効果を追加することが了承された。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は10月30日、「レクサプロ錠」(一般名=エスシタロプラムシュウ酸塩、持田製薬)に、社交的な場面で不安や恐怖を過大に感じる「社会不安障害」の効能・効果を追加することを了承した。近く承認される見通し。
第一部会では、水疱性類天疱瘡の治療薬としては国内初となる「献血グロベニン-Ⅰ静注用」(乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、日本製薬)の承認も了承。現在、ステロイド剤で効果不十分な水疱性類天疱瘡患者に対する治療において、保険適用されている治療法は血漿交換療法のみであり、同部会は「新たな治療選択肢になり得る」としている。
また、29日に開かれた医薬品第二部会では、「ゼローダ錠」(カペシタビン、中外製薬)および「エルプラット点滴静注液」(オキサリプラチン、ヤクルト本社)に、胃癌の効能・効果を追加することが了承された。



不安や恐怖 ~②人前での過剰な緊張や不安 社交不安障害(あがり症)

エスシタロプラムは2011年にうつ病・うつ状態に適応を取得し、2015年に社交不安障害も取得しています。スウェーデンでは2010年に女性の月経前不快気分障害(PMDD)の適応も取得しています。

パニック障害についてはで記載しましたが、今回はその他の不安障害の一つとして人前での過度な緊張や不安を症状とする社交不安障害について言及していきます。

社会不安障害とは? 社会不安障害の方が苦手意識を感じやすい社会シーン (イフェクサー・サインバルタ・トレドミン.

「不安」と一言で言っても、その対象や不安に伴う感覚は色々です。例えば、不安が高まるとソワソワする、じっとしていられないなどの落ち着かなさを自覚される方も多く、理由なく泣いてしまう方もおられます。
また、不安に伴う体の症状としてはパニック障害や今回言及する社交不安障害をはじめとする不安障害群ではしばしば「ドキドキする。」「息苦しくなる」「喉が詰まる(引っかかる)感じがする」「吐き気がする」「腹痛(下痢)」などの多彩な自律神経症状を認めることがあります。

例えば人前や重要な試験や会議の前に緊張から少しドキドキしたり汗をかく程度の症状は多くの人が経験しますが、その緊張が過剰で強いドキドキ(動悸)感や発汗を自覚し、それに伴う強い不安感を抱いている場合は疾患ととらえることができるでしょう。
具体的な症状として、人前での緊張が過剰であることから、人からどう見られているのか必要以上に気にしてしまい、「人前で顔が赤くなる」「人前で字を書くときに震える(手の震え)」「人前で過剰に汗をかいてしまう」「声が震える」などの症状で来院される方が多くおられます。また、その症状を人に気づかれてしまうのではないかと考え、強い不安を感じ、「その場で症状が出てしまうのでは」と事前の段階で予期不安を感じる事と、その結果として人前や会議、グループワークや発表のある学校の授業などの場面をさけるという回避行動をとるようになることが典型的な症状と言えます。 一方で症状が進行する中でほかのパニック障害や全般性不安障害、強迫性障害をはじめとする不安障害の合併も多くみられ、加えて社交不安障害とうつ病は相互に関連していることが多く、併発することがよくあります。社交不安障害による社交的な困難や孤立感が、うつ病の発症や症状の悪化につながる可能性があります。

エスシタロプラムは、「うつ病・うつ状態、社会不安障害」に対して保険適応が認められています。 →添付文書(レクサプロ)

ですがこういった恐怖のために、過度な不安や恐怖を抱くと、自律神経症状を生じます。その結果として失敗体験をしてしまうと、こういった状況をできるだけ避けようとしてしまいます。この回避行動が、社会不安障害の症状を悪化させていきます。

逃げてしまうと苦手意識はますます強くなってしまいます。「また失敗してしまうのでは?」という予期不安が強まっていき、社会不安障害の悪循環に陥っていきます。

対人緊張・対人恐怖・パニック障害・社会不安障害・適応障害・衝動性(暴力性・病 ..

不安感の調節や意欲に働きかけるセロトニンが増すことで、人から注目される場面で強い不安を感じて仕事や学校生活といった社会生活を円滑に送れない社交不安障害も改善されます。

社会不安障害の効能・効果が承認されるまでの国内臨床試験において、1,099例中717例(65.2%)に副作用が認められました。その主なものは以下の通りです。


類薬には、テプロメールやパキシルなどがある。再審査期間は4年。海外では、社会不安障害の適応で欧州など84カ国・地域で承認されている。

人前でのスピーチによって必発する動悸や発汗、紅潮などの症状に伴い2001年のTilloforsらの研究ではPET検査にて右の扁桃体の血流が過剰に増加しており1)、SSRIという種類の抗うつ薬による薬物療法や認知行動療法により症状が改善された場合、同じ場面においても扁桃体の血流の異常増加が改善されたという報告があり2)、社交不安障害の病態の一部として扁桃体の活動更新が関与していることが示唆されています。(実際にはこれに加え、行動の監視に関与している前部帯状回や前頭領域の活動亢進、大脳基底核での活動低下が推定されています。3))
また、社交不安障害の方は、他人の顔を見たときに、顔の評価や情報処理の特定のパターンを示すことがあることも知られています。たとえば、他人の顔の評価に関与する側頭前野や後帯状皮質の活動に異常を示すことがあります。

25)社会不安障害に対するプラセボ対照試験(レクサプロ錠:2015年11

社交不安障害には、薬物療法もしくは認知行動療法が症状の改善に有用です。薬物療法としては前述したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)もしくはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が効果的であり、補助的に不安症状を抑えるために抗不安薬などを頓服薬として使用することが多いです。薬物療法と精神療法を組み合わせた治療が外来診療の中で行われることが一般的です。

レクサプロ (エスシタロプラムシュウ酸塩) 持田 [処方薬]の解説、注意

《SSRIやSNRIの種類と効果》
SSRI
1.ジェイゾロフト(セルトラリン): セルトラリンは社交不安障害の治療において一般的に使用されるSSRIです。多くの研究で有効性が示されており、症状の軽減や生活の質の向上に寄与することが報告されています。
2.パキシル(パロキセチン): パキシルも社交不安障害の治療に使用されるSSRIの一つです。セルトラリンと同様に、症状の改善に有効であるとされています。
3.ルボックス(フルオキセチン):社交不安障害の治療における有効性については他のSSRIと比較して研究結果がやや劣る可能性があり一部の研究では有効性が示されていますが、他の研究では有効性についてはより不確かな結果となっています。
4.レクサプロ(エスシタロプラム):レクサプロは社交不安障害の治療において有効性が示されています。多くの研究が行われ、症状の軽減や生活の質の向上に寄与することが報告されています。加えてレクサプロは他の一部のSSRIと比較して、効果が比較的早く現れることが報告されています。一般的に、2〜4週間程度の投与後に症状の改善が見られる場合があります。

規格:錠25㎎/50mg/75mg 適応:うつ病・うつ状態、強迫性障害、社会不安障害 禁忌 ..

SNRI
1.イフェクサー(ベンラファキシン): ベンラファキシンはセロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害作用を持つSNRIです。社交不安障害の治療において有効性が示されており、一部の研究ではSSRIよりも効果的であるとされています。
2.サインバルタ(デュロキセチン): デュロキセチンもセロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害作用を持つSNRIであり、社交不安障害の治療に使用されることがあります。有効性についての研究結果は限られていますが、一部の研究では効果が示されています。

社会不安障害に対する長期投与試験(レクサプロ錠:2015年11月

お薬としての適応はありませんが、外傷後ストレス障害(PTSD)にも効果は期待できます。

抗うつ剤レクサプロ錠(一般名エスシタロプラムシュウ酸塩)はうつ病・うつ状態と、社会不安障害に関する効能・効果を取得しているお薬です。

ずっと昔、社交不安障害SADに効くお薬は、「モノアミン酸化酵素阻害剤」と呼ばれる薬だとされてきました。しかし、食事にアミンを含むもの(例えばチーズ)を食べると、血圧が急に上昇したりして、また、同時に飲むことが出来ない薬があったり、変薬前に薬を飲まない期間を作らないといけなかったりで、服用するのには細心の注意が必要でした。そこで、現在では、その様な薬は使われていません。(日本ではもはや発売されておりません。海外ではまだ使われていますが)

レクサプロの効能・効果うつ病パニック障害社交不安障害強迫性障害月経前症候群レクサプロ ..

このような社会不安障害ですが、本人や周りが「性格」ととらえていることが非常に多いです。生きづらさは感じながらも、性格だから仕方がないと割り切っている方も少なくありません。

◇適応症レクサプロ:うつ病・うつ状態、社会不安障害 ジェイゾロフト:うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害. ◇用法・用量

人前でまったく緊張しない人はめったにいませんし、人前が苦手、緊張しやすい等のシャイな性格傾向がある人は多いです。ですがその苦痛が強いと感じる場合には、それは自然な緊張や性格ではなく、社会不安障害という病気の「症状」の可能性があります。

効果がみられることが多いです。私自身もパフォーマンス恐怖とよばれる社会不安障害限局型を薬物療法を中心に治療 ..

日本でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors)と言われる、新しいタイプの抗うつ薬が一般的に使われるようになりました。これらは、セロトニンという脳の中の物質を調整する作用を持っています。世界中で多数の種類のSSRIが発売されていますが、現在、日本ではフルボキサミン(商品名ルボックス、デプロメール、2005年10月に社交不安障害SADへの使用が、日本で初めて承認されました)、パロキセチン(商品名パキシル、これも社交不安障害SADの適応を持っています)、セルトラリン(商品名ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(商品名レクサプロ)、デュロキセチン(商品名サインバルタ)などの薬剤が服用可能です。いずれの薬も海外雑誌に、その有効性が報告されております。量については、うつ病の人に対する時より多めの薬が必要なようです。その他、ベンラファキシン(商品名、エフェクサー、日本未発売)といった他の薬でも有効性が報告されておりますが、日本では発売されておらず、使用できません。ただ、従来の抗うつ薬の多くは、社交不安障害SAD治療には無効です。いままで、抗うつ薬を服用したことがあるが、効果がなかっとしても、薬物療法は効果がないと決めつけずに、よく相談してください。

エスシタロプラム)の効果や副作用について | 水戸メンタルクリニック

《認知行動療法の概要》
また認知行動療法では本人の思考パターンや信念に焦点を当て、自己否定的な考え方や社交的な状況に対する恐怖や不安を見直す作業が行われ、認知の修正を通じて、現実的で肯定的な考え方や自己評価を促すことが目指されます。ほかにも 社交的な状況に対する不安や恐怖を階層化して整理し、それに徐々に慣れるための計画を立て、最初は少しハードルが低い状況から開始し、徐々にハードルを上げながらな進んでいきます。不安や恐怖に基づく避ける行動を挑戦することで、新しい経験や情報を得ることを目指します。これにより、過度な恐怖反応を修正し、新たな行動パターンを獲得することができます。ほかにも社交的スキルのトレーニングやリラクセーション技法の導入を行うこともあります。特に、Cognitive Bias Modification(認知バイアス修正)と呼ばれるアプローチが注目されており、患者の認知的なバイアスを修正することで社交不安の症状を軽減する可能性が示唆されていますが現在も研究段階にあります。
治療法については現在も様々な研究のなかで進展してきていますが日本の保険診療という限られた

Paroxetine 塩酸塩水和物の社会不安障害に対する臨床評価一プ

このように社会不安障害は、性格ではなく症状と考えて治療をしていくことで、生き方が変わる可能性を秘めている病気です。