と考えられており、また生物時計の調節や睡眠誘発作用があることから注目さ


環境要因がキンギョの血中メラトニン濃度の日周リズムにおよぼす影響について検討するために.季節,水温,および光周期の影響について調べた。まず,自然条件下で季節変化を調べたところ,明期の値は年間を通じて低かったが,暗期の値は季節変化を示し,6月,9月に高く,12月,3月に低い値を示すことが判明した。これらの変化は水温の変化と有意な相関を示したことから,実験的に水温が血中メラトニン濃度の日周リズムにおよぼす影響について,5,15,25℃と水温を変化させて調べた。その結果,光周期にかかわらず,暗期の血中メラトニン濃度は25℃>15℃>5℃の順になった。また,水温にかかわらず,血中メラトニン濃度の高値持続時間は暗期の長さによって規定されていることが判明した。これらの結果から,キンギョの血中メラトニン濃度の日周リズムは環境の光条件と水温の双方に影響を受けた季節変化を示すことが明らかになった。


ゴカイのメラトニン合成経路を明らかにするために、哺乳類におけるメラトニン合成 ..

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

哺乳類のMT1受容体は、G蛋白質共役受容体に属している。そのため、線虫の筋収縮を制御するメラトニンシグナルもG蛋白質と共役した受容体を介していると推測した。そこで様々なG蛋白質突然変異体を用いてMT1経路を介したメラトニンの感受性を検討した。その結果、Gqα をコ一ドする8gZ -30の機能元進及びgアα-7の機能欠損変異体がメラトニンに対する感受性異常を示したため、線虫のMT1様受容体はEGL-30及びGPA-7を介したシグナル伝達により制御されていると推測された。

トニン生合成経路を明らかにする必要があった。脊椎動物におけるメラトニン生合成経路は,トリプトファ.

キンギョにおけるメラトニンリズムが生物時計による調節を受けているか否かを明らかにするため,恒常条件下でサーカディアンリズム(周期が約24時間の自由継続リズム)を示すかどうか調べた。キンギョにおける血中メラトニン濃度は,恒暗条件下では3日間サーカディアンリズムを示し,明暗条件下の暗期に相当する時刻に高い値を,明期に相当する時刻に低い値を示した。一方,眼球内メラトニン含量は2日間はサーカディアンリズムを示したが,3日目にはリズムは失われた。恒明条件下においては,血中メラトニン濃度は低い値を保ち,変化を示さなかったが,眼球内メラトニン含量は,恒暗条件下に比べて振幅は小さかったものの,サーカディアンリズムを示した。次に松果体の灌流培養を行ったところ,明暗条件下,および逆転した明暗条件下では,メラトニン分泌は暗期に高く,明期に低い日周リズムを示した。恒暗条件下では,周期が23.6ないし24.9時間のサーカディアンリズムを示したが,恒明条件下ではメラトニン分泌は抑制され,リズムは失われた。最後に培養時刻と光条件がキンギョ眼杯標本からのメラトニン分泌量と眼杯におけるメラトニン含量におよぼす影響を検討したところ,明期(1130hr)に眼杯標本を作成し,1200-1500hrの間培養した場合には,メラトニン放出量,メラトニン含量ともに明条件群と暗条件群の間に差は認められなかった。暗期に入る直前(1730hr)に眼杯標本を作成し,1800-2100hrの間培養した場合には,メラトニン放出量,メラトニン含量ともに,暗条件群のほうが明条件群よりも高い値を示した。また,これらの実験の明条件群,暗条件群それぞれにおいて,1800-2100hr培養群の方が,1200-1500hr培養群よりも高い値を示し,培養時刻が眼杯におけるメラトニン産生に影響をおよぼすことが判明した。これらの結果から,キンギョにおけるメラトニンリズムは環境要因のみならず内因性の生物時計による制御も受けていることが明らかになった。

1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

実験用マウスはメラトニンを合成できないので合成できるようにした

メラトニン処理等により様々な表現型異常が観察されたことから、線虫体内のメラトニンの有無について検討を行つた。HPLC及びLC/MS/MSを用いて線虫抽出物を分析したところ、両者においてメラトニンに対応するピークが得られたことから、線虫体内にはメラトニンが存在することが分かった。メラトニンが合成される細胞群を明らかにするため、その合成酵素の発現パターンの解析を試みた。ゲノム情報からY74CgA.3遺伝子が線虫におけるメラトニン合成酵素HIOMTに相当すると考えられ迄ため、この遺伝子の発現解析を行った。その結果、この遺伝子はPVT神経と子宮に発現していた。従って、少なくともこれらの細胞においてはメラトニンが生合成され、観察された行動や恒常性に関与する細胞群に作用すると推測された。

さらに、受容体の実体やメラトニンシグナルで機能する他の因子を同定するために、確立した体壁筋の収縮頻度のアッセイ系を用いてメラトニン感受性異常を示す突然変異体の単離を試みた。およそ100,000ゲノムのスクリーニングを行った結果、5系統の新規突然変異体の単離に成功した。原因遺伝子解析の結果、そのうち2系統の原因遺伝子をrep-1(Rabエスコート蛋白をコード)とeat-2(ニコチン性アセチルコリン受容体をコード)と同定した。このことは、メラトニンがシナプス伝達に関与することを示すとともに、本研究により確立したアッセイ系が効果的に機能し、メラトニンシグナルに関わる新規分子の解明に有効であることの傍証でもある。

カイコガ幼虫と成虫の頭部におけるメラトニン合成経路関連物質の昼夜変化

メラトニンの作用機序を解明するために,キンギョのメラトニン受容体の分布と性状について検討した。メラトニン受容体の体内分布を2-[125I]iodomelatoninをリガンドとしたラジオレセプターアッセイにより検討したところ,脳,網膜に高い特異的結合を,脾臓に低い特異的結合を認めた。脳,網膜における特異的結合は,迅速,安定,可逆的,飽和可能であり,メラトニンに対して高い特異性を示した。親和性(Kd),結合部位数(Bmax)はそれぞれ,脳では27.2±1.4pM,10.99±0.36fmol/mg protein(n=6),網膜では61.9±5.7pM,6.52±0.79fmol/mg protein(n=9)であり,生理的なメラトニン受容体であると判定された。細胞内分布を調べたところ,脳では粗マイクロソーム分画(P3)>粗ミトコンドリア分画(P2)>粗核分画(P1),網膜ではP2>P3>P1の順であった。脳内分布を調べたところ,密度は視蓋-視床>視床下部>終脳>小脳>延髄の順であった。これらの結果から,メラトニンは脳内の様々な神経核や網膜に存在するメラトニン受容体に結合して作用している可能性が示唆された。特に視蓋に高密度にメラトニン受容体が分布することから,視覚情報の統合にメラトニンが重要な役割を果たしていると推察される。

低分子量G蛋白質の1つであるRab蛋白質群は、細胞内でのシナプス小胞を含む様々な小胞輸送において重要な役割を果たしている。細胞内の個々のRab蛋白質が特異的な膜画分へ局在し、特異的な小胞輸送に関わるためには、そのC末端にゲラニルゲラニル基を付加する翻訳後修飾が必須である。その修飾にはRab蛋白質と脂質転移酵素であるRabGGTase及び補助因子としてREPの3つの蛋白質が三量体を形成する必要があると考えられてきた。しかしながら、そのメカニズムや遺伝的階層性、生体内における各分子の役割については不明な点が多い。本研究では、上記スクリーニングにより単離された線虫γθρ一1変異体の解析を通して、REP-1を介したRab蛋白質の機能制御メカニズムについて新たな知見を得ることに成功した。


合成・分泌されるメラトニンがこの作用において重要な役割を演じている。 3.光によるメラトニン分泌の制御

メラトニン受容体の細胞内情報伝達系について明らかにする第一歩として,各種グアニンヌクレオチド類とカチオンを用いてG蛋白質と連関しているかどうか調べた。各種ヌクレオチド類はキンギョ脳内メラトニン受容体の特異的結合を用量依存的に減少させた。その効果はguanosine 5’-0-(3-thiotriphosphate)(GTPS)>GTP>GDP>GMP=ATP>cGMPの順であった。また,GTPS(10-6M)は,受容体からリガンドの解離を引き起こし,また,メラトニン受容体のKdを増加させ,Bmaxを減少させた。各種無機塩類の影響について調べたところ,NgCl2(5mM)は特異的結合を増加させたが,高濃度の各種無機塩類は特異的結合を用量依存的に減少させた。その効果はCaCl2>LiCl>MgCl2>NaCl>choline chloride=KClの順であった。MgCl2(5mM)の存在下ではKdは変化しなかったが,Bmaxは増加した。また,CaCl2(75mM),MgCl2(100mM),NaCl(200mM)の存在下においては,Kdは増加し,Bmaxは減少した。これらの結果から,キンギョ脳内メラトニン受容体はG蛋白質と共役していることが示された。

メラトニン合成はヒト及びその他の哺乳類で露光することにより支配され、主として ..

第二の表現型として、MT3受容体アンタゴニストに線虫を長期間暴露することで、体長の増加抑制、腸内穎粒の減少等の影響が顕れることを見出した。他のアンタゴニストの作用ではこの現象は観察されない。従って、線虫にはMT3様受容体も存在し、内在性のメラトニンがMB様受容体を介して様々な生命現象に恒常的に関わっていることが示唆された。

メラトニンとは、脳の奥深くにある「松果体」という器官から分泌されるホルモンの一種。 ..

遺伝子クローニングとREP-1の機能解析の過程において、アεp一ヱ変異体の表現型がRabGGTaseの機能阻害による表現型異常より明確に弱いことに気が付いた。そこで線虫REP蛋白質の生体内機能をより詳細に理解するために、γερ-ヱ変異体におけるRab経路に関与する表現型異常の観察や、様々なRab蛋白質の局在異常の解析を行った。その結果、シナプス小胞の放出に関与する2つのRabのうち、RAB-27の機能とシナプスへの局在にはREP-1が必要であるが、RAB-3の機能と局在にはREIMは必須ではないことが分かった。

[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]

さらに、エンドサイトシスに関与する他のRabの局在に対するREP-1の影響を調べたところ、その局在がREP-1の機能に強く依存するRabと殆ど依存しないRabが存在することが明らかになった。また、Yeasttwo-hybrid法を使用した蛋白質問の相互作用解析においても、REP-1と結合するRabとしないRabが存在することが分かつた。

メラトニン(めらとにん) 松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。 2024年2月1日

メラトニンは明瞭な日周リズムを示すホルモンなので,受容体の側にも日周リズムが存在するのではないかと考え,キンギョ脳内メラトニン受容体の日周リズムとその調節機構について調べた。明暗条件下では,キンギョ脳内メラトニン受容体のBmaxは明期に高く,暗期に低い,血中メラトニン濃度と負の相関を持った日周リズムを示した。この結果から,メラトニン受容体のBmaxがメラトニンによりdown regulationを受けている可能性が示唆されたので,血中メラトニン濃度の日周リズムを消失させる松果体除去と恒明条件下での飼育を行い,その影響について検討した。その結果,松果体除去,恒明条件下での飼育のいずれによっても脳内メラトニン受容体の日周リズムは消失した。また,松果体除去と恒明条件下での飼育の効果は相加的ではなかった。これらの結果から,脳内メラトニン受容体の日周リズムは血中メラトニン濃度の日周リズムにより駆動されていると結論された。

[PDF] メラトニン 2.6.4 薬物動態試験の概要文 -1

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

•メラトニンは生体内で合成される内分泌ホルモンであることから安全性が高い

魚類における血中メラトニンの代謝経路の一端について明らかにするために,メラトニンの代謝器官であると予測されるキンギョの肝膵臓を用いて外因性メラトニンの代謝をin vitroで調べた。その結果,メラトニンは酵素的に6-hydroxymelatoninに代謝されることが判明した。この代謝系は生体内のメラトニン量とその作用を調節する上で重要な役割を果たしていると推察される。

の波長依存性,紫外線のメラトニン合成に対する影響にっいて,斉藤和雄教授より,メラトニン.

これまでに魚類に対するメラトニン投与は数多く行われてきたが,投与時のメラトニン動態については全く報告がない。そこで,腹腔内注射と経口投与によりメラトニンをキンギョに投与し,血中メラトニン濃度の経時変化を調べた。メラトニンを体重1kgあたり1mg腹腔内注射したところ,投与後直ちに血中メラトニン濃度は上昇し,1時間後に最大値(425.9±129.9ng/ml)を示した後,徐々に減少し,24時間後には投与前とほぼ同じ値に戻った。血中メラトニンの半減期は64.2分であった。また,メラトニン含有飼料を作成し,体重1kgあたり1mg経口投与したところ,投与1時間後に最大値(1607±599pg/ml)を示した後,徐々に減少し,6時間後には投与前とほぼ同じ値に戻った。これらの結果から,メラトニンは腹腔内注射のみならず経口的に投与することも可能であり,血中メラトニン濃度も上昇することが明らかにされた。今後,メラトニンの経口投与による魚類の生理機能制御技術が開発されることが期待される。

質の良い睡眠をとるためには、メラトニンの分泌を高めることが大切です。

本研究は、モデル生物線虫におけるメラトニンの存在とその生理的役割について、世界で始めて明ちかにした。本研究により構築された新規アッセイ系を分子遺伝学的解析の容易な線虫に用いることで、メラトニンの新規作用メカニズムの理解に大きく寄与し、哺乳類を含めたメラトニンの根源的な生体機能を明らかにするための強力なツールとなりうると考えている。さらに、本研究では線虫のγθρ一1遺伝子を同定し、生体内におけるREP4の意義について新たな知見をもたらした。このことはREPの機能のみならず、Rabの局在化機構や機能制御の解明にも新たな一面を与えると考えている。また、脈絡膜欠落症のようなREPの機能異常疾患の原因とその治療法、特に新規医薬品の開発に向けた重要な知見となりうると期待される。

起こらない. マサバとトラフグでも卵黄形成期の卵濾胞組織では,P5.

松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。

5.1 神経解剖; 5.2 合成・代謝; 5.3 放出の ..

以上,本研究においては,魚類におけるメラトニン合成の制御機構,メラトニン受容体による情報伝達機構,メラトニンの代謝系,ならびにメラトニン投与法などについて総合的に検討した。これらの結果は,魚類においてもメラトニンが,季節繁殖などの年周リズムや,遊泳活動,摂餌活動などの日周リズムの調節に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。本研究で明らかになった結果は,魚類におけるメラトニンの生理作用をさらに詳しく解明するために重要な基礎的知見となるものと思われる。